2020年発売,配信の印象に残った曲10選
2020年発売,配信の印象に残った曲10選
はじめましての方ははじめまして、
KUSHIと申します。
今年もなまおじさん主催の楽曲オタク Advent Calendar に参加させて頂きました!
曲を決めた条件は去年と同じです。
- ジャンル不問。
- 同じアーティスト楽曲は無し、最大1曲まで。
としています!
曲順は動画配信(youtube等),配信,CD発売日の早い順からとします。
※注意点
・コードの話とかも書いてあるのですが、解釈違いや知識不足な点があるかもしれませんのでご了承下さい。
・去年も同様ですが、一人呟き,感想,日記みたいな内容です。
・主にリンク先はYoutube,Apple Music,Spotifyとしています。
・今年もジャンルバラッバラです。ご了承下さい。
1.幽霊であるし/ニガミ17才
動画配信日:1月12日,配信日:2月7日
作詞:岩下優介
作曲:ニガミ17才
「ヨルシカ」,「ずっと真夜中でいいのに」,「YOASOBI」が好きなリスナーを「夜好性」と呼ばれたように、昨今は「夜」を連想させるような楽曲群が増えたと自分は思っています。その背景には海外でのcity popが再評価されたり(有名な例としては竹内まりやの「Plastic Love」がYoutubeで現在4500万回以上(違法動画であるが)再生されていたり、松原みきの「真夜中のドア/stay with me」が世界47ヶ国のApple Music J-PopランキングでTOP10入りした、というものがあります。)、Lo-fi Hip Hopやchil等が流行したりしている点が挙げられます。
また自分はボカロで曲を作ったりしていますが、このボカロ界隈でも「夜」を感じるお洒落な曲が流行ってる気がしますね。個人的にですが。(といいますか上記3組のアーティストもボカロに関連してますね。)
話が脱線したので戻しますが、「夜」を連想させる今年の楽曲のうち印象深く残ってるのがこの曲です。何故この曲かといいますと「リズムの異常性」です。まず頭のイントロなのですが…
拍,リズムがわかりづらいっ!
イントロ頭のリズム楽譜作ってみましたがシンセ以外のパートのリズムパターンが一定性がなく、バラバラなんですね。また、ドラムハイハットの入りの解釈が難しい。この楽譜では1/8拍を前にずらして全体的に合わせているのですが、これを3/8の小節の方に合わせて2/4と解釈するのかもしれないのです。複雑すぎる…(この楽譜合ってるかも自信ないです。)。2つ目のイントロ(雨に唄えば~の部分)からもキメが多く複雑なものとなっています。
次にメロディーなのですが、これも全体的にリズムが複雑ですね。
例として1Aの最初のメロディー部分をリズム譜にしましたが、8分,16分音符の往来で休符共々規則性がないので複雑ですね。ただ、Bメロの「to to to」や1サビの「もがいて もがいて もがいて」など繰り返し歌うことでキャッチーまたは複雑なメロディーの箸休めにしている部分が垣間見えます。
また、メロディーのリズムとしての歌詞が独特で凄いです。特に2サビの「有明産のりみたいに」はインパクトが大きいですね。「あ(a)りあ(a)けさ(a)んのり(i)み(i)たい(i)に(i)」という風に”a”や”i”で韻を続けさせ、リズム感を生み出しているのですが、そのワードが「有明産のりみたいに」って…。
メロディーを含め、リズムが異常な程の複雑さを伴っているこの曲ですが、ギリギリの均衡を保ってるのは前バンドがBa.&Vo.だった現Gt.&Vo.岩下優介の作詞&ソングライティング力や崩れない演奏をしているバンド全体の演奏力がハンパじゃないものだからでしょうか。いずれにせよ、「夜」という流行色×バンドの色が強烈に混ざった快(怪)作だと私は思います。
ちなみにでんぱ組.incに曲提供してるそうです。こちらも独特なので気になった人は聴いてみて下さい。
(歌詞引用元:ニガミ17才 MV「幽霊であるし」 (Nigami 17th birthday!! "you lay de arushi..." )の概要欄から引用)
2.絶対零度/赤い公園
CD,配信ともに1月29日
作詞,作曲:津野米咲
「空挺ドラゴンズ」EDテーマ
また今年も赤い公園選んでしまった…
初めてこの曲を初めて聴いたのはED映像でしたが、初めて聴いたときの「ゾクゾク感,ワクワク感」が堪らなかったのでとても印象に残っています。ワクワク感はサビで4つ打ち、王道進行となっている点、ゾクゾク感は、0:37~の独特なスケールのギターリフや変則的に3,4,5,拍子を多用している点,転調…等挙げられますが、自分が思うにこのワクワク感とゾクゾク感を大きく占めているのは「Vo.石野理子の声質、歌い方」だと考えています。「絶対零度」と称している様に冷たく、澄み切ったように一聴して思われるのですが、(サビが特に)どこか奥に熱を帯びているような…ーつまり「絶対零度」の言葉が持つ冷たさとそれに相反する熱さが同居することでよりリアルに「絶対零度」という言葉の意味を浮き上がらせて、ワクワク感やゾクゾク感を増幅させている様に感じました。(かなり抽象的な話ですみません。)
後、歌詞も面白いですね
津野:共通点みたいなものを感じていたんです。竜を取って、食材として街に卸すという話で、この人たちは、無理かもしれないことを楽しみながらやって、切り拓いている。太字で書く冒険ストーリーではなく、すごく自然に楽しみながら、そういう旅をしているんですけど、それが自分にとってのバンドにも近いというか、バンドに向き合う姿勢として大事にしたいところだなと思ったんですね。見たことないものを見たいし、こうしておけば大丈夫とわかっていても、一歩めんどくさいところに足を突っ込んでみたり、そういう共通点を私は勝手に感じたので。「絶対零度」は、“もしも死海に飛び込んで生き残った金魚がいたら”という着想で書きました。
こちらの記事でも書かれていますが逆境に挑もうとする”金魚”を主体とした歌詞になっています。上述のテーマの場合だと普通は人を主体として歌詞を書くと思うのですが、それによって一味違う歌詞になっていますね。
余談ですがこの曲が入ったアルバムもとても良い作品になっているので聴いてみて下さい。ギター,ピアノ,ベース,ドラム等生楽器系統全部がいかんなく発揮されてるロック,ポップなアルバムです(1曲打ち込みの曲がありますが…)。
3.永遠の不在証明/東京事変
配信日:2月29日,CD:4月8日
作詞,作曲:椎名林檎
劇場版「名探偵コナン 緋色の弾丸」主題歌
2020年「再生」した(8年ぶりの再始動)東京事変ですが、この曲は作詞作曲ともに椎名林檎となっており、近年の彼女の作風が散りばめられています。
1つ目はコード進行です。この曲はマイーナーキーなのですが、最初のコード進行が
Key=Bm
Ⅰm→Ⅰm+5(Ⅵ/Ⅰ)→Ⅰm6→Ⅰm+5(Ⅵ/Ⅰ)
Ⅳm→Ⅳm+5(Ⅱ/Ⅳ)→Ⅳm6…
となっており、これらの進行は過去にも、宮本浩次とコラボした「獣ゆく細道」の冒頭やトータス松本とコラボした「目抜き通り」の冒頭フランス語部分,林原めぐみに提供した「今際の死神」の冒頭等、近年の椎名林檎さんの曲に多く使われている進行です。
2つ目は曲展開です。この曲の最後には映画のエンドロールを思い出させるようなテンポチェンジがあります。こちらも過去に、上述した「目抜き通り」や,向井秀徳とコラボした「神様、仏様」(拍子が変わる,テンポアップ),井上陽水トリビュートの「ワインレッドの心」等、こちらも近年の椎名林檎さんの曲に多く使われている曲展開ですね。
ここまで「近年の」、「近年の」…と最近の椎名林檎さんの技法が表れた曲と書いてきましたが、古い頃の曲を聴き返しているとこちらの方にも僅かですが共通項が見られました。
それは「サビのハッタリ転調」です。
この曲の頭のコードがⅠm(Bm)ではなくⅠ(B)となっているので、「あれ?転調したのかな?」と思いきや次にⅥ(G)→Ⅳm(Em)とくるので実際には転調していません。こうすることでサビの雰囲気を変えつつもA,Bメロと同じ空気を纏わせる様な、ある意味一種のスパイス的な効果を表していると思います。
で、過去曲にもこの様なハッタリ転調の曲が使われていまして、それが「虚言症」という2ndアルバム1曲目の曲です。この曲はkey=Bなのですがサビのコード進行が
Ⅳ#M7(FM7)→ⅣM7(EM7)×2→Ⅵm7(G#m7)→Ⅱm7(C#m7)…
となっています。サビの独特な感じがⅣ#M7→ⅣM7の進行に表れていますね。他にも、サビではないのですが同アルバムの「病床パブリック」のイントロのギターもkey=Cmに対し
Ⅰ(C)→Ⅴ(A♭)→Ⅲ(E♭)→Ⅲ7(E♭7)×2→Aメロへ
となっています。(key=CでⅠの他はダイアトニック・コード外という解釈もありますが…)
このように今の椎名林檎さんの作風もありつつ、昔の頃の椎名林檎さんの作風もサンプル数は少ないですが共通している部分も見受けられ、色々変化していく(している)アーティストでも少なからず昔から変わらない部分もあるのだなとしみじみ思ってしまいました。自分の好きなアーティストの一人なだけに。
4.ワクワクmeetsトリップ/Pastel*Palettes
CD,配信ともに3月4日
作詞:織田あすか(Elements Garden)
作曲,編曲:菊田大介(Elements Garden)
Pastel*Palettesは「バンドリ!ガールズバンドパーティー!」発のアイドルバンドで、曲は可愛らしいものが多いです。今回の曲も可愛らしさもありつつ独特な曲となっています。
今回の楽曲イメージはジャケットからも分かるように、「空,旅」の雰囲気を纏った曲に聴こえますね(アプリ内のゲームストーリーとしては「未知との遭遇」という内容なのですが、サビのこの部分で微かに後ろでちょっと緊張感のあるトレモロなstringsが鳴っているのでそれが「未知との遭遇」を表しているのかもしれない。)。
まずこの曲は丸山彩(Vo.担当)の機内アナウンス風の語りから始まります。これにより、この曲の世界観がすっと入る良い導入となっています。また、イントロの「ワク×ワク×ワクmeetsトリップ」と若宮イヴ(Key.担当)がウィスパーで歌ったりシンセの音色,strings,リバーブ感等、空の雰囲気を醸し出す音作りになっているのが素晴らしいですね。
後、何故だか懐かしさを感じるんですよね。特にメロディーライン。サビ頭の「ラソレシ ラソファ#ソファ#ミ」(オープン・ザ・ゲート!未知の先へ)とか、Bメロ頭の「ミレミ」(ミスを)とか…。歌謡的なんでしょうか?(分からない…)
個人的に好きなメロディーラインはサビ後半頭の「ソ#~ラ~」(Wake Up!)ですね。「Wake」の時のコードがBmなのでソ#→13thですね。結構不安定。
総合的に聴いて、世界観に対する音作りや懐かしさを感じさせるメロディーがグッときたのでこの曲はとても印象に残っています。バンド曲としても満足のあるものだと思います。特にベース。動く、動く。
余談ですがこの曲のキーはGでサビのコード進行がⅣM7→Ⅲm7→Ⅵm7となっていて、これと同じ条件の曲が米米CLUBの「DAY DREAM」という曲なのですがこれも空のイメージな曲なんですね。(JALのCMソングだった。)キーGのⅣM7→Ⅲm7→Ⅵm7進行は空の雰囲気が出やすい進行なのかなと勝手に思っています。
5.23時の春雷少女/鬼頭明里
配信日:5月13日,CD:6月10日
作詞,作曲:田淵智也
この曲は歌詞、曲にも田淵節が強く表れていると思いますが、今回は「成田ハネダの編曲」について書きたいと思います(この曲について書かれたブログを見ると歌詞についての言及が多かったので。)。
田淵智也さんとやしきんさんのタッグは今まででも数多く共演されています。UNISON SQUARE GARDENの楽曲(「to the CIDER ROAD」や「like coffeeのおまじない」,「君の瞳に恋してない」等。この時はやしきん名義ではなく小林康太名義。)や内田真礼さんの「ギミー!レボリューション」,最近ではDIALOGUE+の「20xxMUEの光」もそうですね。
こうした何回もタッグを組んでいる二人の中に、パスピエの成田ハネダさんを投入することが自分にとって驚きと同時に新しい化学変化が起きるのじゃないかなと思いました。
(メモですがこちらの記事で「ベースの田淵と成田ハネダはユニゾンがメジャー・デビューをしたばかりの頃にサポート仕事で共演。その後互いのバンドでイベントに共演した際に再会し、2014年にはユニゾンの自主企画にパスピエが出演。」と書かれています。パスピエはUNISONのトリビュートで「場違いハミングバード」をカバーしている事も含め、元々交流のある二人,バンドとなっています。
引用元:パスピエが見せた、ライブバンドとしての実力 UNISON SQUARE GARDENとの『印象E』レポート)
イントロを聴いた瞬間「そういうことか」と思ってしまいました。完全にサウンド面は2人の今まで培ってきた音色をしていたのですがピアノ,シンセのフレーズの違和感で「ここ成田ハネダの仕業だな。」と思ってしまいました(確証はありませんが。)。フルで聴いて違和感のある部分(恐らく成田ハネダ関連部分)をまとめてみました。
→これに関してはパスピエ「フィーバー」のオマージュ的要素かもしれない
ざっと書き出してみましたが、変で不協和音に近い様なフレーズですね。何故不協和音に近い(不協和音そのものな)音階が成田ハネダさん部分と思ったのか?それは彼が
成田:僕はもともと印象派の時代感とか背景が好きで。当時のフランスの音楽や絵画は、日本からすごく影響を受けたんですよね。逆に日本もフランスの文化から影響を受けたし。今もフランスと日本の文化って親和性があるというか、融合するものがある気がします。僕はそういうのが好きで、そのコンセプトでバンドを始めたんです。そういうものに感じる懐かしさみたいなものは、今回、表現できたのかもしれないですね。
印象派の音楽に影響を受けている事を知っていたのでそう思いました(「パスピエ」は印象主義音楽の作曲家ドビュッシーの曲のタイトルから名付けた。)。印象派、または印象主義音楽の特徴の一つとして不協和音があり(十二音技法もこの頃。)、少なくとも影響は受けていると思います。
では何故こういう風な不協和音を入れているのか?自分はそれは「歌詞」にあると思います。歌詞には「エラーコード!」や「フリーズ」,「プログラム確かに書き変わったんだ」と「システムのバグ=恋愛感情の複雑さ?」を表しているなと思いました。そのため、それを楽曲として落とし込むには不協和音が一番わかりやすい方法じゃないかなと思います。
つまり
- 交流のある身近な人
- 複雑な感情をフレーズ等で考えられる人
- 2.の表現を演奏できる人
これらを総評したら成田ハネダしかいなかったかもしれません。もしかしたら「化学反応」というより「田淵智也の計画通り」かもしれませんが。
(再びメモですが「3.2.の表現を演奏できる人」についてこちらの記事から以下を抜粋
しました。)
――成田さんは東京藝術大学出身でクラシックを学んだそうですね。ピアノは何歳から?
成田:5歳から始めました。姉がピアノをやってたっていうのもあるんですけど、まぁ、気づいたらずっとやってたという感じで。いつの間にか自分の取り柄がピアノになっていたので、いつかはクラシックピアニストだったり、音楽を仕事にできたらなとは思っていたんです。
話は変わりますがコードとか複雑ですよねこの曲。(以下は公式が発表したコード譜です。)
イントロはonコードの連続でルートがクリシェになっていますね。始まりを予感させる様な響き、コードワークに感じます。
後、サビ<C>(歌詞で言うと「まるで春雷 目を奪って」から「(Are you press "NO"?)」まで)の各2小節ずつの冒頭のコード(F#m7以外)全部違うんですね…だからずっと情景が変わる様な感覚になっていたのかもしれない。ジェットコースターみたいに展開が目眩めく変わっていく…あれ?この感想去年も書いたような…
6.帰ろう/藤井風
CD,配信ともに5月20日
作詞,作曲:藤井風
今年で一番話題になったニューカマーといえば彼で間違いないでしょう。TV等メディアで取り上げられたり、武道館でLiveを行ったりと躍進が凄かったイメージがありますね。自分も1stE.P収録の「何なんw」を聴いて「凄い人が出て来たなぁ」と思いました。
今までの楽曲は上記した「何なんw」や「もうええわ」等ブラックミュージック由来の後ろめのノリな曲が多かったのですが、今回の曲は前ノリ、といいますかバラードになっています。
この曲は流れが美しい曲だなと思いました。最初はピアノのみでAメロから歌が入ってきます。そのときにピアノは4分に刻みながらリズムを生み出してきます。そして2回目のAメロでハイハットとstringsが入ってきます。少し優雅になってきました。次にBメロです。転調し、ピアノのリズムが8分に刻まれ、少々リズミカルになり、ピチカートなstringsも相まってサビへ繋ぐ架け橋となっています。そして後半でリズムが元に戻ると、サビで全面にstrinngsがバーンと出てきます…
気持ちいい…
1サビの開放感、浮遊感が素晴らしいですね…それはAメロ、Bメロの刻んだリズムからの解放、その流れに至るまでの過程が美しいからだと感じました。また、stringsの広がり方もいいですね。Aメロ、Bメロのstringsは割と中域の音高ですがサビになると高域,中域,低域と全体的に広がるので開けた感じがよりサビに表れてますね。心地よい。
この曲は歌詞を見ると彼なりの「生死観」が表れている曲だなと思います。彼はこの曲についてこのようにコメントしてるので「帰ろう」っていうタイトルにしてるんですね…考え方がしっかりしてらっしゃる…
特に自分が好きなポイントは1サビの解放感もそうですが、最後のダメ押しのサビですね(「憎み合いの果てに」から)。ドラムの手数が多くなってコードも変わって最後はイントロに戻って終わる…。聴き終わった後に映画を見た、小説を読み終わった様な感覚になりました。いい曲。
7.記憶/イヤホンズ
動画配信日:6月27日,CD:7月22日
作詞,作曲,編曲:三浦康嗣(口ロロ)
率直にこの曲を初めて聴いた時「声優の曲って幅広いんだな…」と思ってしまいました。環境音や生活音をコラージュみたく貼りつけ、音楽を奏でるーいわば一般的に流通している曲ではない構成の、芸術性のある楽曲を声優に歌わせるのが自分にとって新鮮味があり、とても印象に残った楽曲です。
自分は口ロロといえば「00:00:00」という「時報」をサンプリングした名曲を作った
方というイメージが強かったのですが(この曲は是非聴いて欲しいです。)、よくよく調べてみるとこういった前衛的なアルバム(「00:00:00」を収録したアルバムも結構凄いが)を出していたり、ヒプノシスマイクにラジオ番組風な曲を提供してたりとかなりバラエティ豊かな異色な曲を多く作っている方なんですね…知らなかった…
この曲の凄い所はエレピ,ベース,キック以外全て声か音の組み合わせになっている所で、しかも飽きないんですよね。曲展開が従来のJ-POPとかではないですが構成が見事で最後は盛り上がる(けど記憶の様に音が消えていく。)。最初にも書きましたが正に「芸術性のある楽曲」だなと思いました。
8.環境と心理/METAIVE
配信日:7月24日
作詞,作曲:小山田圭吾
すみませんが、これから個人的な話をします。自分はこの曲が配信された頃、嫌な事が立て続けに起こり、心身共に少し疲れていました。何かこれを解消出来るものはないかと日々模索していたのですが、たまたまYoutubeホームでこの曲の動画が上がっていて見たのですが…この曲の感じ、雰囲気が素晴らしく心にスッと入ってくるような感覚になりました。その感覚が心地よく、何回も聴きました(自分のspotifyでの再生回数が一番多い曲だった。)。そして何回も聴いてる内に立て続けに起こっていた嫌なことも和らいでいき、「環境と心理」が自分にとって今年お世話になった曲となりました。
この曲はホーンとギターが印象的で、音色,フレーズ共に、歌詞「夕暮れ時 赤く染まる」を見事に表現していると思います。夕暮れが染まるあの何ともいえない哀愁さが漂う感じー堪らないですね。
後、なんで心にスッと入ってきたかというと淡々と始まって淡々と終わるんですね。厳密にいうと盛り上がる箇所とかはあるのですが、激しい展開、起伏もなく音色も含め全体的に尖ってない優しい雰囲気なんですよね。だからスッと入ってきたかなと思っています。
余談ですが、この曲を聴くと個人的に空気公団の「旅をしませんか」を思い出しました。全体的に優しく、淡々と続く感じということで。
9.いただきバベル (Prod. ケンモチヒデフミ)/電音部-港白金女学院-黒鉄たま(CV:秋奈)
配信日:9月30日,CD:12月23日
作詞,作曲,編曲:Kenmochi Hidefumi
今年バンダイから「電音部 DEN-ON-BU」という新たなプロジェクトが始まりましたね。発表された時は驚きました。何しろ参加しているコンポーザーがkz(livetune),tofubeats,TAKU INOUE,PSYQUI,パソコン音楽クラブ等名だたる作編曲家ないしDJ陣が沢山参加されていてちょっとヒェッ…なんだこの凄いコンテンツは…ってなりましたね。(バンダイだから成せる業なのか?)
今まで電音部で発表された曲の内、自分はこの曲が印象に残っています。
まずはメロのリズムなんですが、「自画自賛」や「金稼ぐ」の様な2音切りのメロは結構Hip-Hop楽曲に表れるメロですね(例としてm-flo♡Sik-K & eill & 向井太一 の「tell me tell me」やCreepy Nutsの「生業」,ちゃんみなの「Princess」など)。またビートもHip-Hopなノリなので全体的にHip-Hop色がありますが、音色とサビの四つ打ち感が完全にクラブミュージックでHip-Hopとクラブミュージックが融合した新鮮味感じる曲になってます。
次に声の使い方が好きですね。2番の「噛ませ猫」の「こ」の部分のあざと可愛さや「砂でもかけとけ」の「け」のやんちゃさ、サビの巻き舌などバリエーション豊かに声を使ってる感じがいいですね。
後、曲の終わりが好きですね。ぶつ切り程ではないですけど、余韻を残さずに唐突に終わるあの感じ個人的に好きです。
電音部で発表された曲で「いただきバベル (Prod. ケンモチヒデフミ)」以外にも好きな曲が多くあります(Prod.TAKU INOUEの「Mani Mani」やProd.パソコン音楽クラブの「Haiiro no kokoro」など好きですね)。今後どういう曲が現れるのか自分にとって今後楽しみなコンテンツとなりました。
…にしてもこれで初ラップって凄いよな…
10.Joker(M@STER VERSION)/松永涼(CV:千菅春香),大和亜季(CV:村中知),中野有香(CV:下地紫野),姫川友紀(CV:杜野まこ),前川みく(CV:高森奈津美)
CD,配信ともに10月21日
今年田中秀和さん滅茶苦茶曲書かれましたね。その中でも好きな曲がこれでした。スリルを感じさせるちょっと大人びた楽曲になってます。
サビはⅣM7→Ⅲ7→Ⅵm7進行なのでよくある進行なのですがⅥm7の前にBrackadder Chord(「ねぇ、ちょっと息止めて」の後のシンセ部分)が入っているのが田中秀和さんらしいですね。また後半のサビ(「強気な癖して」部分)でⅣM7から始まるのではなく、Ⅴ♭m7-5→ⅣM7(ⅣmM7の可能性アリ)となるコード進行、自分は大好物です。それだけで無条件に好きになってしまうかもしれない…(例を挙げればアニソンですがChouChouの「Authentic symphony」,佐々木恵梨の「Ring of Fortune」とかですね。好き。)
また、アイドルの人選が素晴らしい。松永涼(CV:千菅春香),大和亜季(CV:村中知)のクールな声質が楽曲に合っている+中野有香(CV:下地紫野),姫川友紀(CV:杜野まこ),前川みく(CV:高森奈津美)の普段クールではないアイドルがかっこ良く歌っているギャップが堪らない…
後、ドラムが激しめな所が好きです。サビ部分のキック連打って激しいですよね。クラッシュシンバルも鋭い音。でも、ピタッと音が止まって曲のメリハリが出て良い。こういうクールな曲に滅茶苦茶手数が多いドラムってあまり合わない印象だったんですが、合いますね。
2番Aメロを聴くと様々なオカズが入っていたりドラムのフレーズ,キメも違うのでフルで聴くと違う楽しさがありますのでCD買いましょう!(謎の催促)。
以上10曲になります。
入りきらなかったやつはこちら↓
➡今年一Lyricがヤバい。
- tell me tell me/m-flo♡Sik-K & eill & 向井太一
➡3組とのアーティストコラボなのにLISAさんのボス感。
➡スネアの音がデカい、100点。
- Fly with me/millennium parade
➡サビの3/4拍子×2→4/4拍子の妙。
- 不革命前夜/NEE
➡ボカロ的戦略的音楽。雑さがイイ。
- ギガアイシテル/レキシ
➡良いPOPS、良いメロディ。
- Synchronicity(feat. Phoebe Katis)/Cory Wong
➡ギターの音が気持ちいい。
➡KMNZとORESAMAが合わない訳がないんだよなぁ。
➡藤井隆×YOU×パソコン音楽クラブ=…?
➡リードギター>>>>その他。ある意味問題作。
おわりに
今年の10選の楽曲を見てみると結構サビに王道進行とかⅣM7→Ⅲm7(Ⅲ7)→Ⅵm7進行が多いな~と思ったのでちょっとコード進行の点から見たらマンネリ化しているかもしれません。ただ、自分が好きな曲ばっかりを選んだのでその部分が拙い文章でも伝わっていたら幸いです。
また、今年発表された印象に残っているカバーやRemix曲が多かったので番外編として別記事に上げています。興味のある方は是非。
最後まで拝読ありがとうございました!皆さんの記事も素晴らしいので是非アドベントカレンダーへGO!!
(再び貼る)↓