2022年発売,配信の印象に残った曲10選

2022年発売,配信の印象に残った曲10選

 

 はじめましての方ははじめまして、

 KUSHIと申します。

 

 今年も10選を!

 書きました!

 

 曲を決めた条件は去年と同じです。

  • ジャンル不問。
  • 同じアーティスト楽曲は無し、最大1曲まで。

としています!

 曲順は動画配信(youtube等),配信,CD発売日の早い順からとします。 

 

※注意点

・コードの話とかも書いてあるのですが、解釈違いや知識不足な点があるかもしれませんのでご了承下さい。

・去年も同様ですが、一人呟き,感想,日記みたいな内容です。

・主にリンク先はYoutubeApple Music,Spotifyとしています。

毎回ですが、ジャンルバラッバラです。ご了承下さい。

 

 

 

1.Imagine/DOPING PANDA

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PV配信日:1月28日,配信日:2月9日,CD:3月2日

 

作詞:フルカワユタカ・阿刀大志

作曲:フルカワユタカ

編曲:DOPING PANDA

 

 今年はバンドに関する大きいニュースが多かった気がします。ELLEGARDENが16年ぶりに新曲を配信&新アルバムをリリースしましたし、Galileo Galileiが新体制で活動再開しましたし、NUMBER GIRLが再解散しましたし…他にもニュースはありましたが個人的に今年一番(バンドに関係なく)大きかったニュースは「DOPING PANDAの再結成」でした。

 正直な話、私は当時DOPING PANDAを聴いていたという世代ではありません。知ったのも解散した後でした。最初に聴いたのは確か「Crazy」だったと思います。DOPING PANDAの持ち味の一つのダンスロックとは違う系統の曲ですが、メロコアみたくBPMが速い曲なのに何故か切なさ、寂しさにも感じる独特な感じが好きになりそこからBESTを借りてハマっていきました。

 そして月日は流れ2022年1月28日…

 (発狂していました)

 

 話は変わりますが、再結成というのは嬉しい反面、怖い部分もあります。それは「前の方が良かった」と思ってしまうことです。再結成ーつまり前の活動期間から時間、年月が空いてしまうと、音像が変わったり、年齢が変わって勢いが変わったり…他にも色々挙げられますが、いずれにせよ「あの頃の流れ、勢いを感じることができるのか」というのが重要だと思います(個人的にですが)。

 

 結論、自分は本楽曲を聴いて、それは杞憂だなと思いました。

 今までの楽曲に引けを取らない程にノりやすく、カッコよさも当時そのままだと私は感じました。何故か分からないですが、新しい幕開けといいますか、「これから始まるぞ!」感が物凄くするんですよね…

 楽曲についてですが、ノりやすさについては四つ打ちに加えて、カウベルの音が効いているのだと私は思います。カウベルの持つ軽快さが、楽曲の持つ踊ってしまいたくなるような感覚に起因するのかなと思いました。

 また、間奏のギターのメロディーがキャッチーであったり後ろで鳴ってるシンセも表拍で刻んでいたり、こういった部分もノりやすさに繋がっていると思いました。

 

 自分はギターを弾いたりする人なのですがAメロ(Verse)のミュートon&offありのソロギターフレーズなんですが、弾くこと自体はそこまで難しくないフレーズなのですが、これを歌いながら弾くということが凄いなぁと思ってします。(自分ができないからってのもありますが歌いながらの難易度としたらそんなに難しくないのか…?)

 

 まぁこの楽曲については曲が良いというのもありますが、自分の思い出にも繋がっているような楽曲なので印象に残った曲として本ブログに記しました。

 

 余談ですが今年のフジロックで彼らが出演していて、生で初めてライブを見ました(youtubeの生放送ですが)

 

               ほんとうにありがとう…

              ミラクルを起こしてくれて…

 

2.REFLECTION feat. 中村佳穂/tofubeats

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配信日、PV配信日:2月25日,CD:5月18日

 

SONG CREDITS

Produced by tofubeats

Recorded at Studio MSR, Yoyogi Hachiman by Taiji Okuda    

                at HIHATT HO, Tokyo by tofubeats

Mastered by tofubeats at HIHATT HO, Tokyo

Art Direction by Tamio Iwaya (GraphersRock.)

Illustration by Yoshitake Yamane

 

 tofubeatsさんといえば今年はTHE IDOLM@STER LIVE THE@TER HARMONYの「Welcome!! (TeddyLoid&tofubeats Remix)」や虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の「EMOTION / 三船栞子(CV.小泉萌香)」などがありましたが、4年ぶりのフルアルバム「REFLECTION」が配信,発売され、その中でアルバム表題楽曲「REFLECTION feat. 中村佳穂」が好みでよくリピートして聴いていました。

 楽曲としてはエレピが映えるDrum'n'bass,Jungleで、3:08辺り前まではループの要素が強い楽曲ですが、随所にフックが効く仕掛けが施されています。(以下、好き好きポイントも含め列挙)

 

 ・0:18~:ドラムフィルがかっこいい…

 ・0:48~:「調子に乗ったつもりで」の調子に乗って笑って歌っているのが伝わる中

      村佳穂さんの歌唱。表現力が凄い。

 ・1:57~tofubeatsさんのchorus的メロディー。キャッチーで印象に残りやすい。

 ・2:08~:2番の頭、ベースを抜くことでリセット感が出ている(1番の頭、歌いだし

        部分はベースが入っている。)。PVの夜から朝へ始まる描写からも読み取                 

        れられる。

 ・2:36~:1番にはなかった中村佳穂さんのカウンターメロディ。個性的ですが主旋律

        をギリギリまで邪魔していないように聴こえる。

 ・2:41~:2番でここはさらに中村佳穂さんのchorusが足されている。そして「話して

        みたいよ」の最後の「よ」のメロが上昇して伸びやかになる。さらにそこ

        からのストリングスシンセの新しいメロによって展開がこれから変わるこ

        とを示唆しているように聴こえる。

 

 そして3:08~の間奏がかっこいい。ドラムの音が増えビートが複雑になり、中村佳穂さんしか歌えないような独特なメロディーが楽曲を包み込む。ちなみにこの楽曲、ワンルーム☆ミュージックで解説していましたが、ここの部分の中村佳穂さんのメロディーってボーカルチョップされているんですよね。一聴しただけだとあまり分からないですが、言われたらなんとな~く…分かる感じの細かい部分の話だと思います。こういう話を聞くとやっぱり細かい所まで拘ってるんだなぁ…と思ってしまいますね…

 続いて転調後、3:31~の伸びやかなメロ。一気にメロを聴かせるタイムに入る。個人的に3:50辺りの「会いたい気分」の裏のコーラスがはっきりとしたコード感になっていて好きですね~

 4:13~の再び間奏セクション。転調しているのでこっちの方が爽やかに聴こえる。

 そして4:33~最後のほぼほぼドラムと中村佳穂さんの声と効果音のみのパート。シャッフルになるのが気持ちいい…

 

 本楽曲、浅く聴いても気持ちよく乗れますし、深く聴いても「随所にフックが効く仕掛け」で聴きごたえがありますし、個人的に一石二鳥な楽曲と思っています。

 

 

(前略)

──今回の「REFLECTION」というアルバムを制作するにあたり、まず「鏡・反射」というテーマがコロナ以前の段階で生まれていたことも「トーフビーツの難聴日記」にはつづられていますよね。改めてなぜこの時期のトーフさんにとって「鏡・反射」というモチーフは重要なものだったのですか?  

 「鏡」が重要だと思ったからテーマになったというより、鏡を見て「ヤバい」と思ってとっさに写真を撮ったことがあって、「なんで自分は鏡を大事なものかもしれんと思ったんだろう?」という、その理由を発見していくことが今回の「REFLECTION」というアルバムのテーマになりました。なぜ、自分は鏡というありきたりなものに反応したのかを探すようにアルバムを作っていったというか。なので、例えば「Keep on Lovin' You」のシングルでは山根(慶丈)さんに「ジャケットに鏡を入れてほしい」とお願いしたり、意識的にほかに人が作った「ミラー」がタイトルに付く曲を聴くようにしたり、このアルバムの制作期間は自分の意識が鏡に向くように仕向けていった部分もあります。それによって自分から何が出てくるかを見たかった。あと大きかったのは、検温器なんかで自分の顔を見ることが増えたことですね。検温器では体温というレイヤーが乗っかってきますけど、ああやって自分が思い描いているのと少しズレた自分の姿を興味深く観察している時期は長かったと思います。

(以下略)

 

引用元:tofubeats「REFLECTION」インタビュー|突発性難聴、上京、コロナ禍、結婚……さまざまな変化と向き合い、自分自身を観察した日々の記録 音楽ナタリー

 

 「Mirror」から始まり、「Mirai」で終わる「REFLECTION」は自分にとって”鏡”を通して見たものから未来というものを謳っているような、そんな気分にさせてくれるアルバムでした。

 最後に本楽曲の”鏡”に通ずる好きな一節を

 

自分の形に似た友達と 僕はただ

話してみたいよ

 

3.カメレオン/King Gnu

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配信日:2月28日,PV配信日:3月14日,CD:3月16日

 

作詞/作曲:常田大希

編曲:King Gnu

 

 や~~~~~っぱりKing Gnuってバラードっぽい曲の編曲って所謂「J-POP的な」編曲とは違ったアプローチで面白いな~と再確認された楽曲です。

 基本的なJ-POP的なバラード曲だとシンプルな8,16ビートとかが多いです。例えば(個人的に思いついたものを挙げているのですが)、JUJUの「やさしさで溢れるように」やコブクロ」,秦基博ひまわりの約束」とか(結構ベタなものを選出しましたね…)。ですが本楽曲ではリズムが僅かにヨれています。ヨれているビートとはどういうことかといいますと以下のD'Angeloの「Feel Like Makin' Love」を聴いて頂くと

 

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解るかと思いますが、カッチリ,きっかりしたビートじゃなくて簡潔に言うと「ズレた」ビートということです。恐らくこれをDAW上で同じリズムで打ち込むとHi-HatやSnare,Kick等の頭が微妙に、絶妙に合わない感じになると思います。このビートはJ-POP楽曲にあまり見られないーどっちかというと先述したD'AngeloやJ Dilla等のHip-Hopでよく使われているビートなんですよね。本楽曲ですが、シャッフル程ではなく僅かにヨれているように聴こえますし、分かりやすいのが間奏のピアノですね。拍の後ろ気味で弾いています。こういったビートをJ-POPのシーンに、しかもバラードで持ってくるのが面白いな~と思いました。

 

 音色もかなり面白いです。まずサビと間奏にセンターに現れる効果音。何て例えたらいいのかな…個人的には「積み木同士がぶつかった音をPOPにしたもの」みたいなイメージで聴こえました。結構癖があって扱い辛そうな音なのに見事にマッチしているのは流石だなと思います。また、ヴォコーダーを使用していて、井口さんの自然な、有機的な声を映えさせるために、ヴォコーダーを使用した常田さんの無機質的な声で添えている所が堪らない…PVの支えあって生きている二人みたい…

 

 そして、転調も面白く、基本的にはKey=Cなんですが、間奏最後のサビだけKey=Fとなる完全4度の転調になっていてあまり見かけない形の転調の形かなと思いました。この転調後のラスサビなんですが、今までの主旋律がヴォコーダーの常田さんで、今までと違うメロディで支えている井口さん、そして楽器隊の激しいプレイでかなり盛り上がったまま終わるところが堪らないよ…

 

 常田さんって自分のやりたい音楽×大衆性をKing Gnuで表現していると思うのですが、まさにそれが表れたような楽曲だなと感じましたね…

 

4.A Song Without A Songstress/雫シークレットマインド

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PV配信日:3月20日,配信日:4月22日

 

作詞 :Chihiro Sings

作曲,編曲:カワイヒデヒロ

タイトル命名協力:ロッカーさん 

REC:平野栄二

MIX:上原翔

Vo:Chihiro sings

Dr:井上 司

Gt:小島 翔

Vn:雨宮 麻未子

Va:角谷 奈緒

Ba,Vc,Prg:カワイヒデヒロ

 

 サンリオによる音楽とバンドをテーマにしたプロジェクト「SHOW BY ROCK!!」の10周年企画「Road to 2022!! 目指せ10周年!!SHOW BY ROCK!!5大プロジェクト!!」の第一弾としてゲーム初期からいる6バンドの新曲の一つがこの雫シークレットマインドの「A Song Without A Songstress」です。

 

 カワイヒデヒロさんは青春ブタ野郎シリーズED「不可思議のカルテ」やLiella!の「微熱のワルツ」の作編曲を担当されていることもあり、個人的にはJazzを基にしたアレンジではなく、こういったRockなサウンドを表立っているアレンジだったので新鮮でした(雫シークレットマインドの楽曲を以前から担当されているのでこういった曲調の楽曲は前からありましたが…)。

 ストリングスやハープの音色な印象的な楽曲ですが、面白いなと思ったのはリズム隊のプレイです。まずベースなんですが、カワイヒデヒロさんがベーシストなだけあって滅茶苦茶曲の中で動きまくっているんですよね。

 

 ・1:42~:intro。スラップ気味のベースがアクセントになっている。stringsとbassと

        drumのリズムが一緒なので一体感が出ている。

 ・1:57~:Aメロ。bassのハイポジションと和音でコード感を際立たせている。

 ・2:09~:Aメロその2。ハイポジも使い、低音メロを奏でている。歌詞の「気づかれ

        ぬよう」の「づかれぬ」がVo.メロとユニゾン

 ・2:21~:Bメロ。stringsと呼応すように音を伸ばす時にはベースも音を伸ばし、メロ

       を奏でるときにはベースもメロを奏でている。

 ・2:39:グリスアップ。サビ前の装飾としては定番だが、やはりかっこいい。

 ・2:39~:サビ。これでもか!というくらい動く。どのセクションの中でも一番動い

        ているように聴こえる。

 ・2:51~53:3連符キメ。drumもVo.メロも合わさって強調されている。

 ・3:10~12:サビ終わりハイポジメロ。stringsとユニゾン

 ・3:29~:intro2。1:42~とは違いスラップをしていない。その為、前よりも落ち着い

        た印象を受ける。

 ・3:55~:2Aメロその2。ここでやっと定番の8分ルート弾きが出てくる。ギターのブ

       リッジミュートと合わせて少し躍動感が出ている。Aメロその2は「始まり

       感」が強かったが、こちらは2Bも8分ルート弾きにしているので次のサビに

       向けた盛り上がり度を少し上げている感じになっている。

 ・5:00~:間奏。こちらも8分ルート弾き。恐らくギターソロを映えさせるため。

 ・5:44~:ラスサビ前。こちらも8分ルート弾き。ラスサビを盛り上げさせるための準

        備。

 ・5:54~:ラスサビ。半音上げて転調しているので音が上がり、通常サビより動くベ

        ースが聴こえやすくなっている。

 ・6:29~:outro。曲が終わる最後の疾走感を出すために8分ルートではなく16分ルー

       トで弾いている。

 

 いや~そのセクション毎にプレイを変えているのはベーシストならではだと思いますし、曲の流れ,展開を演出する大事なことの一つなんだなぁと考えさせられましたね…

 

 ドラムなんですが、サビの部分が16ビートに対し、シンバルをオープン・クローズで叩いているのが印象的ですね。ロックなジャンルだとhi-hatやride cymbalを8分で叩くのが定石ですが、オープン・クローズで叩くことで8分で叩くより勢い,疾走感が抑えられ、ノリを重視せずに曲全体の雰囲気を押し出しているように聴こえました。

 

 曲のサビのコードとしては同バンド楽曲「Spider Love」然り、ⅣM7→Ⅲ7→Ⅵm7(テンションコード省略)だと思いますが、好みが一昨年から変わっていないな…良いのやら悪いのやら…(2020年のこのブログの「おわりに」参照)

 

5.蕾に雷/花譜×長谷川白紙

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PV配信日、配信日:4月20日

 

歌唱/花譜

作詞・作曲・編曲/長谷川白紙

Program & Key : Hakushi Hasegawsa

Mixed by The Anticipation Illicit Tsuboi at RDS Toritsudai

Mastered by John Greenham at Clearlight Mastering

 

 花譜3周年プロジェクトの、リアルのアーティスト&コンポーザーを中心としたコラボ企画「組曲」の7組目楽曲。

 長谷川白紙さんは今まで、TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA月ノ美兎諭吉佳作/menKID FRESINO等提供・共演・客演してきましたが、その中でも好みな楽曲でした。

 本楽曲のイントロのエレピの音色が完全に好みなんですが、リズムを不規則にしたり切ったりしてるところでもう長谷川白紙節が出ていますね。転調後のサビでstringsが表立ってゆったりとした空間を醸し出しているような、漂流しているような、そんな気分にさせられると思ったらサビの最後部分で急に現実に戻させられる感じが凄い&驚きで頭の中があまり理解できておりません(理解できないのは詞や曲など全体的にですが…)。理解できないといえば、その後のNot Chord(か不明)な2番の頭も意味不明で先述した部分も含め何回聴いても頭の中が「???」ってなります。それでも個人的に何回でも聴いてしまうんですよね…これが謎の中毒性ってヤツか…?

 本楽曲は「組曲」の中でも花譜さんの「声」にフォーカスした楽曲で、花譜さんの様々な声のサンプリングでこの楽曲は彩っています。

 

今回の楽曲リリースに際して、花譜さんと長谷川白紙さんからコメントが届いている。

 

花譜さんコメント

電気の顔とか手足とか、笑い方とか悲しみ方とか想像して、歌っている最中に色んな声色を試すのがとても楽しかったです。音楽と言葉の心地いい響きに身を委ねながら、声で出来ることってこんなにあるんだーーー!!!!!!!とずっとワクワクしていました。「草木を開く僕が~」の後の鳴き声は、私のイメージした電気の声8小節なのですが、その後の長谷川さんが鳴らしてくださった8小節が「マイターン!!!!!!!!」という感じがして、バトルができたみたいで思わず初めて聴いた時笑みがこぼれたしすごく嬉しくなりました。聴けば聴くほど聴くのが楽しくなるので、みなさんにもたくさん聴いてもらいたいです⚡

 

引用元:花譜×長谷川白紙コラボ楽曲「蕾に雷」 各パートで「バトルができたみたい」 KAI-YOU.net

 

 間奏部分の独特な花譜さんの声が耳にひっかかって「こんな声出せるんだ…」とか思ったりして聴いてました(ちょっと歪みとか加えて加工しているかもしれませんが)。成程、電気をイメージしていたのですね!これはちょっとした発見。しかし電気に顔や手,笑い,悲しみ…想像力が豊かですね…発想も面白い。

 

 また、花譜さんの歌唱が素晴らしい。音程やリズムが難解なメロディーを違和感なくこなしつつ、箇所箇所で違う歌い方,表現が凄いなぁ…と感嘆してしまいました。特に先程も書きましたが、サビの最後部分。メロとして機能しているのか分からない難解なメロを歌い上げる花譜さんに凄すぎるな…と初めて聴いたとき唖然となりました…今聴いても凄いよ…

 

 今回の楽曲は長谷川白紙さんと花譜さんの表現、発想力が見事に極彩色に混ぜ合わさった圧巻の楽曲だなと私は思いました。

 

6.恋するMagic!!/DiverDiva(朝香果林(CV.久保田未夢)、宮下 愛(CV.村上奈津実))

youtu.be

 

配信日,CD:5月25日

 

作詞:ぱはむたん、PASSiON KiNG

作曲・編曲:PASSiON KiNG

 

 本楽曲は「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」2期 第4話挿入歌である「Eternal Light」のカップリング曲です。

 表題曲の「Eternal Light」はデジタルサウンドでバッチバチにカッコいいのですがカップリング曲である「恋するMagic!!」の方が個人的に印象に残っています。

 何故印象に残ったかといいますと、先程書いた通り、自分はギターを弾く人なのですが、この楽曲のギター奏法が特徴的なため、印象に残っていました。

 

 その奏法とはボトルネック奏法(スライドギター)です。

youtu.be

(参考動画に山崎まさよしさんがボトルネック奏法をしている動画を貼りましたが、当たり前ですけどうめぇ…)

 

 ボトルネック奏法とはスライドバーを指に装着してギターの弦上でスライドして演奏する奏法で、割とスラー的に音を出せる奏法なんですが、この奏法って多いのがブルースとかのロックなので(POPSもあるがそんなに頻繁に使われてないイメージ)初めて聴いたときに、驚きと「アニメ関連楽曲でも合うんだ」と思ってしまいました。

 上述したR側の「ボトルネック奏法」や「B♭メジャーペンタ」のフレーズやチョーキ

 

(多分R側のB♭メジャーペンタフレーズはこんな感じな耳コピ

ングの雰囲気からオールドロックな感じの雰囲気がするんですよね。そこにL側のスカのような裏拍のギターサビの刻むベース楽しい掛け声等、明るく盛り上げる要素が沢山詰まってる感じが良いですね。なのでこの楽曲は個人的に、懐かしいロック感がありつつも、明るく盛り上がる楽曲として印象に残っています。

 

 ちなみに作詞されたぱはむたんさん、作詞・作曲・編曲されたPASSiON KiNGさんを調べてもQU4RTZ楽曲A・ZU・NA楽曲等「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」関連楽曲を担当されている以外情報がないんですよね…新人なのかそれともどなたかの別名義か…

 

7.大衆/OMSB

www.youtube.com

 

配信日:5月25日,CD:10月19日,PV配信日:11月14日

 

Written By Brandon Kato  

Produced by The Anticipation Illicit Tsuboi

Bass by hama_okamoto(OKAMOTO’S)

Trumpet by Takahashi Santa

hama_okamoto(OKAMOTO’S) by the courtesy of Sony Music Labels Inc.

A&R: Takeya "takeyan" Masuda (SUMMIT, Inc.)

 

 初めて聴いたのはPVからで(なのでこの曲を知ったのは結構遅い。)、何かのYouTubeの関連動画としてみた気がする。そこから聴いて即ハマってしまって、何回もリピートしている。

 正直Hip-Hopは全くといっていいほど詳しくはない。だけど、この曲を何回も聴いているのはバックの音楽が完全に好みだからだと思う。

 レコードのプチプチノイズ,大きめのkick,乾いたsnare,鍵盤の音,哀愁漂うtrumpet…など所謂Lo-Fi的な音色ーNeo soulの様な匂いがする部分が自分の好みに刺さったんだと思う。

 

 「3.カメレオン/King Gnu」の時に書きましたがこの楽曲も僅かにヨれているように聴こえます。まぁ実際自分はブラックミュージックとか好きなので、自然と重心(アタック)が後ろな楽曲は好きになりやすいです。

 他にもHookのメロ,歌詞や「死ぬまで付き合うよ」のコーラスワークも良いですね…

 

誰にもなれないし

自分の普通をやる毎日

仲間外れじゃなくて

そこに居なかっただけ。だろ?

素晴らしき人生

いっそもう振り切って

死ぬまで付き合うよ 

だってそうじゃん

 

(前略)

- そうして完成した今回の『ALONE』ですけども、まずタイトルはどういったところから?  

OMSB - すげえどうでもいいんですけど、アルバムを作りはじめる前から自分の立ち位置をぼやっと考えていて。例えばメインストリームみたいなヒップホップとか、アンダーグラウンドのヒップホップ、どっちにも居られてない気がして、それが美味しいと思ったりもしたんだけど、「俺はどこ行っても孤立してる気がする」っていう気持ちは昔から漠然とあって、「そのことについてならいっぱい歌えるかもな」って思ったところから広げてみた感じですね。一人じゃなくても寂しいし、人といる時のほうが疎外感をむしろ感じたりするし。でも、それを楽しめてる時もあるし。  

- 必ずしもネガティヴな、孤独とか孤立だけじゃなく。  

OMSB - はい。誰かといても、自分の考えることは完全に自分一人のものだなって思って。

(以下略)

 

引用元:【インタビュー】OMSB 『ALONE』 | 自分の考えることは完全に自分一人のもの fnmnl

 

 人の数ほど多種多様な考えがありますし、それに伴って様々な人間関係があると思います。例え大きな群れに入らなかったとしても、自分の考えで自分の道を進んでいけばいいーそのような思いがひしひしと伝わる良いlyric表現だなと思いました(解釈違っていたらすみません。)。

 

 最後にlyricで分からなかった単語(意味は分かるけどどういう意図かも含め)をメモとして以下に記しておく。

 

・SUMMIT

 →日本のヒップホップ・レーベル。OMSB氏も所属。

・Rewind

 →巻き戻すの意。ここからOMSB氏の人生の振り返りlyricが始まる。

2pac,Snoop,D.R.E ,B.I.G.

 →2pacSnoop DoggDr. Dreは西海岸、Notorious B.I.G東海岸側で活動していたラッパーであることからlyricに出てくる「ヤンキー」と自分は趣向が違う、「周りならどうでもいい これが俺の道」の意味を上記した人名を使って補強している。まぁこの西vs東海岸の対立構造はネットで調べても色々出てきますので、気になった方は調べてみてもいいかもしれません。

 参考:【HIP HOP入門】90年代US Hip Hop 西海岸と東海岸の抗争まとめ RENOTE

・キラービーズ

→多分「WU-TANG PRODUCTIONS PRESENTS KILLA BEEZのTHE STING」のこと?

・SIMI LAB

→SUMMIT所属のグループ。OMSB氏もグループの一員。

・さあお前も今日から大衆だ

→「お前も今日から大衆だ」はA.K.I.PRODUCTIONSの楽曲。この楽曲に携わったのが「大衆」のプロデュースをしたThe Anticipation Illicit Tsuboi氏(名義は当時と違うが)

 

8.夢の中へ/swing,sing 八乙女菫 (CV:二ノ宮ゆい)

www.youtube.com

 

 

配信日:5月29日,CD:8月24日

 

作詞:Shogo

作曲:早川博隆

編曲:半田彬倫

Piano:半田彬倫

Violin:半田彬倫

Trumpet:淡路泰平

Drums:田中航

 

 今年はこういったイベントに参加したこともありJazzを聴いていたのですが、偶然にも今年「swing,sing」というプロジェクトが始動したことを知り、既出していた曲の中でハマったのがこの楽曲でした。

 

Cafe×音楽×青春

漫画・イラストと安らぎの音楽、歌声で紡がれる

新感覚キャラクタープロジェクト  

多くの音楽×キャラクター×声優プロジェクトが羽ばたいていく現代。 様々なところで熱狂に溢れるドラマが、音楽が、ライブが生まれている。

しかし──

「愉しみ方はそれだけなのだろうか?」 音楽を真に愉しむための、プロジェクト── さりげない日常で、ゆったりとしたい瞬間に

──忙しい現代に生きる、自分にとって特別な日に。 そんな毎日を豊かにするためのキャラクタープロジェクト それが、swing, singなのです。

引用元:作品について ABOUT swing,sing

 

 ー確かに現代は忙しい。いや、忙しいというより変化が目まぐるしいのかもしれない。そんな中で自分は「ゆったりとした瞬間」みたいなものを求めて本楽曲をリピートしていたかもしれないー

 「夢の中へ」を聴いたときに「久しくローテンポな感じの歌謡的な楽曲聴いてなかったなぁ…」と率直に思ってしまいました。

 イントロのピアノとライドシンバルで夢の入口に立っているような気分になり、そこからstringsやドラムのブラシが入ってくると、タイトル通り「夢の中へ」入っている感覚に陥る、いわばマッサージチェアみたいな居心地の良さが溢れ出て、耽美な気分になってしまします。

 そして八乙女菫 (CV:二ノ宮ゆい)の歌唱。しっとりと、でもほんの少し力強い歌唱がこの楽曲の悲哀的な部分を担っているように聴こえます。

 歌唱部分からのコードは王道進行など使われているのですが、

 

 Key=F

  ⅣM7→Ⅴ7→Ⅲm7→Ⅵ7sus4→Ⅵ7

  ⅣM7→Ⅲm7→Ⅵm7→Ⅶm7-5→Ⅴ7→Ⅵ7sus4→Ⅵ7

  (テンションは省略。多分こんな感じ)

 

最後にⅥm7ではなくⅥ7にすることで少し力強さが生まれ、上述した歌唱と合わさって歌詞に描かれている、「まだ出ない答えを探し、願う」ー戸惑いや迷いをどうしたら解決できるんだろうか?ーみたいなものを表している様にも聴こえました。「まだ出ない答え」というのはCOMIC本編の第7話「夢の中へ」の内容のことだと思われます(タイトルが曲名と一緒ですしね。)。まぁ最後にⅥm7ではなくⅥ7にすることで少し力強さや推進力が得られるようなそんな効果は「冒険でしょでしょ?」のサビで証明済みですが…

 

 このプロジェクト楽曲でビッグバンドな1st theme songの「Harmony」やヒュージョンの香りがする「銀色メロディ」,アコギ三重奏と歌の「廻り」等他にも多種多様な曲がありますが、なぜ「夢の中へ」が印象に残っているのかというと自分はEGO-WRAPPIN'さんが好きで、特に「色彩のブルース」が好きなんですが、その匂いを感じたからなんですよね。「夢の中へ」は夜のカフェでかかっているイメージですが「色彩のブルース」はザが付くほどのbarでかかっているイメージ……とかするのですが、Jazz×歌謡的な要素に惹かれたのだと思います。

 

 因みに「夢の中へ」の英訳は「Into the Dream」(ジャケットに書かれている)なのですがPat Methenyの楽曲から取ってるんでしょうかね…?COMIC本編の第7話は「メモリーズ・オブ・ユー」(Jazzのスタンダード楽曲。作詞Andy Razaf,作曲Eubie Blake)ですし、1st イベント名が「What A Wonderful Music World」で「What A Wonderful World」(Louis Armstrongの楽曲。作詞・作曲はBob ThieleとGeorge David Weiss)から取っていると思いますし、何かしらタイトルがJazz関連楽曲タイトルをもじっているような気がするのですが…

 

9.KICKBACK/米津玄師

www.youtube.com

 

配信日:10月12日,PV配信日:10月25日,CD:11月23日

 

Music & Lyrics  Kenshi Yonezu

Arranged by  KenshiYonezu , Daiki Tsuneta (King Gnu / millennium parade)  

Contains a sample of "SOUDA! We're ALIVE"  Lyrics & Music by TSUNKU  

©2002 by UP FRONT MUSIC INC. / TV TOKYO Music, Inc.

 

 まぁ、今年「チェンソーマン」OPということや、常田大希との「爱丽丝」振りの共演、つんく♂作詞作曲のモーニング娘。そうだ! We’re ALIVE」の歌詞の引用、謎のMAD(YouTubeの関連で見るとMAD関連が結構出てくる)の流行により色々話題になっている楽曲ですが、自分が主に書くのは「常田さんの編曲の色が濃く出ている楽曲だな…」ということです。

 まず分かりやすいのがギター。0:08~のR側から聴こえる早いカッティングがもう常田節。他にも1:22~の3連符駆け上がりフレーズや、一番最後にセンターに聴こえる3:09~のFuzzが掛かったチョーキング、音色がいかにも常田さんのプレイだなと思います。

 次に音色的な話なのですが

 

現時点で公開されている予告動画では1コーラスほどが聴けるOP「KICK BACK」は、米津にとって久々となるファスト・ロック・ナンバー。打ち込み色の強いバス・ドラムとドラムンベースのような緊迫感のあるビートに引き込まれる。

King Gnuのオフィシャル・サイトでは既にミュージシャン・クレジットが発表。ギター/ベースは常田、ヴァイオリンには常田の兄である常田俊太郎、オルガンに宮川 純などがクレジットされているが、気になるドラムは今年の誌上ドラム・コンテストで3次審査員も務めてくれている石若 駿。本人のTwitterでも、「たくさんのフィールを試した楽しいRecの思い出」と語っている。大いに話題を呼んでいるアニメ「チェンソーマン」、気になる主題歌の数々の続報を待とう。

 

引用元:米津玄師常田大希によるタッグが実現!アニメ「チェンソーマン」のOP「KICK BACK」のドラマーは? Rhythm&Drums magazine

 

 King Gnuのオフィシャル・サイトには現在ミュージシャン・クレジットが書かれていなかったため、上記のサイトのみで判断しましたが上記した常田俊太郎さんや石若 駿さん、millennium paradeやメンバーであり、宮川 純さんはKing Gnuやmillennium paradeのレコーディングされた方なのでサウンド的にはモロに常田さん周りのプロジェクトの音なんですよね。

 後、細かいことなんですが、最後辺りのサビのコード(半音下がり)を変えている部分ですね。もしかしたら米津さん側で元々そうだったのかもしれませんが、King Gnuの楽曲でもこういった部分が多く、例えば「飛行艇」の最後の転調後のサビや半音下がりではありませんが「Prayer X」の最後、先程挙げた「カメレオン」もそうですね。

 

──実際の楽曲制作はどんなふうにスタートしたんでしょうか。  

まず監督やアニメサイドの方たちとの打ち合わせから始まったんですけれど、監督からもらったオーダーで覚えているのが「ジェットコースターみたいな曲を作ってほしい」ということだったんですね。転調を繰り返して、パートごとにガラッと変わって、別の曲かと思うような高低差のある曲で。振り回されながら聴いて、気が付いたら1曲終わっているような曲を作ってほしいというオーダーがありました。最初は非常に難しいことを言われているなという印象だったんですけど、打ち合わせが終わったあとにどうしようか考えていたら、転調って2つの意味がありますよね。自分では音楽的にスケールを変えることだと思っていたんですが、曲調がガラッと変わることを転調と言う人もいるので、「監督はどちらの意味で言っているんだろう」となって、わからないからどっちもやりました。

 

引用元:米津玄師「KICK BACK」インタビュー|「チェンソーマン」の“痛快”を 直感と衝動のままに叫び描いて 音楽ナタリー

 

 曲のフェーズ毎に転調しているこの楽曲ですが、最初「逆夢」という転調マシマシな楽曲があったため常田さんサイド編曲かなと思ったのですが違ったみたいです。成程、「曲調がガラッと変わる」ことも転調と言う人もいるんですね。知らなかった…

 

 今年、先程挙げました「REFLECTION feat. 中村佳穂」や本楽曲等ドラムンベース楽曲を耳にしている気がします。中村佳穂さんの「さよならクレール*1とか…

 

10.カラカラ/結束バンド

www.youtube.com

 

配信日:10月30日,CD:12月28日

 

作詞・作曲:中嶋イッキュウ

編曲:三井律郎

 

 「ぼっち・ざ・ろっく!」の楽曲群って面白いのが「バックが邦楽のロックに振り切っている」ところだと思います。L側のバッキングギター,R側のリードギター,ベース,ドラム,歌(コーラス含め)のみのバンドサウンド。もうこのフォーマットって邦楽のバンド楽曲あるあるなんですよね。挙げだしたらきりがありません。まぁ結束バンドの4人のみで演奏している体で編曲されているとは思いますが。そして、こうした楽曲群が「2000年代~2010年代前半の自分達が今まで聴いてきた邦楽バンドを思い出させる装置」になっていると思っている。実際「ぼっち・ざ・ろっく!」の話題になったときにぼっちちゃんが陰な感じなので「syrupが~ARTが~」の声をtwitterでちらほら見かけました。(まぁあくまでもtwitterのみなんでなんともいえないですが。)いずれにしろ「ぼっち・ざ・ろっく!」を引き合いにして今までの視聴者が聴いてきたバンドの話を見かけることが多くなっていたのは事実だと思います。

 特に「ロックに振り切っている」と分かりやすいのが「あのバンド」。特にイントロ。L側のフレットハーモニクスと右側の轟音トレモロギターが完全にオルタナロッククに聴こえます。1:04~のR側ギターのchorusのエフェクターかましていたり、2:05~のソロでギター弦をピックでつつく、ちょっと特殊な奏法(名前がわからない)をしていたり、結構ロックに振り切っていないと聴けないギター奏法(エフェクターとか)が詰まっていると思います。

 「ロックに振り切る」ということについては編曲者が三井律郎(THE YOUTHのguitarist。LOST IN TIMEStereo Fabrication of Youth,la la larksのギター参加)氏やakkinONE OK ROCKサウンドプロデューサー。MAN WITH A MISSIONAqua TimezROOKIEZ is PUNK’D等のプロデュースを手掛けた)氏の参加についても頷ける部分ではあると思います。

 自分もこういったバンド系統楽曲を聴いてきた一人としては、「ぼっち・ざ・ろっく!」というコンテンツは楽曲が振り切っていて、今年特に印象に残ったアニメでした(今年見たアニメの数かなり少ないというのもありますが…)。

 

 話が結構逸れていましたので戻しますが何故この楽曲が印象に残ったのかというとやはり避けられないのが「中嶋イッキュウ氏の参加楽曲」であることですね。EDソングの作詞作曲者としては谷口鮪 さんや北澤ゆうほさんはアニメタイアップが結構多いバンドのイメージが強かったのですがここでアニメのノータイアップな中嶋イッキュウさんの起用はびっくりしました(まぁアニメではありませんが過去に『ひなビタ♪』で『凛として咲く花の如く』のカバーはされていましたが…)。

 やはり中嶋イッキュウ色が強い部分としては変拍子だと思います。イントロは5/4拍子ですし、Aメロの唐突な2/4拍子が出てきます。中嶋イッキュウさんがメンバーのバンド「tricot」の楽曲でもそういった変拍子が出てくる曲が多い(ほぼほぼ全部といっていもいいくらい多く登場する)です。それと「声の質感」。「カラカラ」は他の結束バンドの楽曲と比べて「ウィスパーほどではないが声の輪郭がちょっと曖昧な感じ」がするんですよね。それはこの楽曲のVo.が山田リョウ(CV.水野朔)ということもありますが、この点がtricotに通づるものがあると思っています。この点が含まれた「おちゃんせんすぅす」という楽曲を聴いて頂いたら分かると思います。

 編曲についてなんですが

 

 

 このツイートにより、三井さんがフレーズも考えられていることが分かったのですが、割とtricotのキダ モティフォさんの特徴的なリフをイメージされて作られた感じがするんですよね。特に動きまくるフレーズや16分、開放弦交じりのフレーズが。もしかしたらイッキュウさんの指定のフレーズとかもあったりするのかもしれませんね。

 

 変拍子やリズムが特徴的なバンドtricotですがやっはり全体的にPOPな感じになっているのはコード進行が

 

Key=E

  ⅣM7→Ⅴ→Ⅲm7→Ⅴ#dim7→Ⅵm7→Ⅴm7→Ⅰ

 

 と割とアニソンとかで見られるような綺麗な王道進行になっているからだと思います。

 

 個人的にですが曲展開が好きでBメロの4つ打ちkickで盛り上げてから途中で若干落としてそこからサビのタンタンタンタンのsnareフレーズで盛り上げる感じとか、一番最後のサビでハーフテンポにするところとか大好きで涎が出てしまいますね…自分のオリジナル楽曲とかでも最後ハーフテンポにするとか好きで使いますね… 

 

以上10曲になります。
入りきらなかったやつはこちら↓


動く歩道/古内東子

   ➡コード感が好み。

恋風邪にのせて/Vaundy

   ➡個人的に今年配信されたVaundy楽曲で一番好き。ちょっと懐かしさを感じさせ

    る曲調。

銃の部品/PEOPLE 1

           ➡好きなミクスチャーロック感。

MYSTERION/ももいろクローバーZ

   ➡民族調&Trapが物凄くマッチしている。

SIGN feat. 藤井隆/パソコン音楽クラブ

   ➡「ヤバい」のVocal Chopが印象的。こういう楽曲聴くと自然と体がノる。

プレミアムワールド/広瀬香美

   ➡今年一メロが難しい楽曲じゃないか?でもサビの「Welcome to The Premium

               World」の解放感とカッコよさは異常。

 

おわりに

 今年は近年参加させて頂いている、なまおじさん主催の「楽曲オタクAdvent Calendar」はありませんでしたが、それでも1年の聴いた音楽について自分なりにメモといいますか、書き残しておこうと思いました。今年聴いた楽曲としては発表されたのが去年以降の楽曲が多く、あまり今年の楽曲を聴かなかった、digらなかった年でもありました。来年こそは色々楽曲聴けたらいいなと思っています。


 最後まで拝読ありがとうございました!

 

*1:よくよく調べるとこの楽曲もオルガンが宮川純さんでドラムが石若駿さんでした。マジか

2021年発売,配信,発表の印象に残った曲10選

2021年発売,配信,発表の印象に残った曲10選

 

 はじめましての方ははじめまして、

 KUSHIと申します。

 

 今年もなまおじさん主催の楽曲オタク Advent Calendar に参加させて頂きました!

adventar.org

 

 曲を決めた条件は去年と同じです。

  • ジャンル不問。
  • 同じアーティスト楽曲は無し、最大1曲まで。

としています!

 曲順は動画配信(youtube等),配信,CD発売日の早い順からとします。 

 

※注意点

・コードの話とかも書いてあるのですが、解釈違いや知識不足な点があるかもしれませんのでご了承下さい。

・去年も同様ですが、一人呟き,感想,日記みたいな内容です。

・主にリンク先はYoutubeApple Music,Spotifyとしています。

今年もジャンルバラッバラです。ご了承下さい。

 

(ここまで去年と全く同じ文面)

 

 

1.Blank Paper (Prod. TEMPLIME)/日高零奈(CV:蔀 佑佳),東雲和音(CV:天音みほ),茅野ふたば(CV:堀越せな)

www.youtube.com

 

配信日:1月2日,PV配信日:3月27日,CD:6月30日

 

作詞,作曲,編曲:KBSNK(TEMPLIME)

 

 去年も電音部の楽曲を選出しましたが今年はこの楽曲をリピートして聴いていました。基本的にイントロ、Aメロはコードの繰り返しでメロディを変えたり音色を増やして飽きさせずに工夫されており、それでも十二分に聴き心地が良いのですが、特に自分はサビの展開が好きです。サビになると繰り返しのコードが変わり、ちょっとドラマチックな感じのコード進行になります。(基本的にコード進行は、Aメロ部分では8小節繰り返し、サビは繰り返しがない→サビがドラマチックに聴こえる要因?)そして特に自分が好きなポイントなんですが、16ビートで刻んでいたリズムが途中で四つ打ちに変化し、歌詞「今感じてるグルーブが」の通りグルーブがより強調され心地よくリズムに乗れる所がたまらないですね…PVの和音みたくよだれが出る…(自分の好きなサビ途中四つ打ち参考曲→黒木渚君が私をダメにする」,パスピエ名前のない鳥」)

 

 個人的な解釈ではありますがこの楽曲は「2ステップもどき」だと思っていてます。2ステップのリズムパターンの特徴としては各小節の2,4拍目にキックが入らない、シャッフルビート等がありますが、そもそも2ステップは

(前略)

この2 Step(ツーステップ)は由来とするUS Garageからパーカッシブな方向へ進化したUK Garageの中でも、従来のFour-on-the-Floor(4つ打ち)に適合しない不規則なリズムパターンを特徴としており、楽曲数からもUK Garageの大部分を占めています。

(以下略)

引用元:2 Step(ツーステップ)/UKガラージ/UKGとは Part 1 – 音楽ジャンル | YGDB:洋楽データバンク

 

前述したような不規則なリズムパターンが主であり、前段でも触れた4つ打ちは2ステップの特徴としては入らない音楽ジャンルとなっています。つまり、本楽曲は「2ステップ+他のジャンル(四つ打ちでクラブ音楽ジャンルだとハウス,テクノ等)」を混ぜた一筋縄ではいかない楽曲となっているように思えます。これの参考例としてBPMも近いm-floの「come again」を挙げます。

www.youtube.com

 

「come again」は基本サビは2ステップですが、途中でVERBALさんのラップパートのバックはジャズドラムのようなブレイクビーツになっていたりこちらも「2ステップ+他のジャンル」楽曲になっています。(ただし、音色的には2ステップではないと☆Takuさん本人からの明言がある。)こういった別ジャンル同士の融合曲は構成が違うもの同士が組み合わされるので前段でも書いた「飽きない」に繋がるのではないかと思っています。*1

 

 また、歌詞も素晴らしく、1Aで各キャラクターの心情を各キャラクター自身が歌い、1A後半+サビで出会いと始まり、2Aで心情変化、再びサビで心情変化を経た3人の更なる想いといったストーリー性のあるものになっています。「仲間(以上?)と出会い、闘争心を燃やして進み始めていく」←ここでこの楽曲が終わるのが個人的に好きなポイントで、「胸に秘める闘争心」で歌詞が終わり、アウトロに入っていくのですが、このアウトロがサビのコード進行、音色、四つ打ち+イントロのボーカルチョップが合わさって「これから始まる高揚感」が物凄く感じるんですよね。この「高揚感」が好きなポイントに繋がってると思います。「話したいよ この高揚」。

 

 先ほど挙げたm-floの「come again」について☆Takuさんは

「日本の歌謡曲の方程式を無視してつくった曲です。」

引用元:www.m-flow.com  discography

 

とコメントしています。アキバエリアの3人も「歴史が組み上げた構造 壊すくらいの青さで」進んでいくのでしょうか。ストーリー展開にも注目ですね。(因みにストーリーはマンガでも読めます。一部、Blank Paperの歌詞内容にあたるストーリー部分もありますので気になった人は是非読んでみてはいかがでしょうか?)

 

2.鳥になり海を渡る/崎山蒼志

youtu.be

 

配信日、CD:1月27日

 

作詞,作曲,編曲:崎山蒼志

 

 自分はアニソンのような凝った編曲が大好きですがそれと同じくらいにシンプルな編曲の楽曲も大好きです。本楽曲は歌とギターのみ。そしてブラッシング混じりの速い16ビートストロークで進んでいく。元々彼が有名になった「五月雨」で彼のことを知りましたがメジャー1stアルバムで五月雨と同じようなシンプルな編曲で驚き+嬉しさがありました。

 この曲はギターならではの開放弦コードがテンション(6th,9th,#11th,等)を生み出してます。

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※カポ1なので厳密にはD♭M7/A♭→G♭→Cm→E♭m9

 

過去演奏動画等での目コピ&耳コピなので正確さには欠けますがサビ頭はざっとこんな感じだと思います。二番目と三番目のコードが開放弦(左の〇部分=指では押さえない部分)テンション部分ですね(Fは6th,7th,9th,#11thでBmは11thと♭13th?)。個人的にこの開放弦がテンションのコードはギターならではの独特な響きを放つので滅茶苦茶好きですし、自身で作った曲にこういった開放弦テンションギターを入れたくなってしまいます。

 

↑上記のコードをピアノで打ち込んだ結果。やはりピアノという楽器のイメージの所為かJazz、お洒落っぽく聴こえる。

 

↑上記のコードをアコギで弾いた結果。イメージとしてはお洒落さは減り、「自然」を感じる。

 

 また、本楽曲をアコギにすることで「鳥になり海を渡る」といった自然を想起させるキーワードをより自然という世界観にのめり込めるような装置になっているなと思いました。

 

 崎山さんはギター一本で(ギター的に)物凄く難しいコードを押さえながら、矢継ぎ早に繰り出す事が出来、さらにその上で歌うという人間離れ技の持ち主だなと思います。現在19歳の彼がこれからどういった楽曲を生み出していくのか楽しみです。

youtu.be

なんだよA♭m6(-13)って…ギターで弾けるんだ…

 

3.セーラ☆ムン太郎/マハラージャン

www.youtube.com

 

PV配信日:3月4日,配信日:3月24日,CD:7月21日

 

作詞・作曲 モエチュウ(※マハラージャン氏のこと)

Produced by マハラージャン

Vo,Guitar&synthesizer/マハラージャン

Piano/皆川真人

Bass/ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

Drums/石若駿

Recorded by 小野寺伯文

Mixed by 髙山徹

Mastered by 山崎翼

 

 初めて聴いたときは衝撃を受けました。こんなにもグルーヴィーでサビがキャッチーで自分の好きなファンク,ソウル(80年代ディスコにも近い?)丸出しのアレンジをする新人(この曲のEPがメジャーデビュー作)が現れたと。一瞬で好きになりました。そして別の衝撃としてまさかTHE FIRST TAKEに出るとは思わなかった…

 彼はインタビューで「Daft PunkやJamiroquai等洋楽ばっかり聴いていた」といった旨の発言をされていますが、本楽曲は割と邦楽的なつくりになっているかと思います。構造としてイントロ,Aメロ,Bメロ,サビと分かりやすく分かれていますし、コード進行としても

 

Key=G 

 サビ

 Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅵm7→Ⅳ#m7-5

 Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅴ#dim7→Ⅵm7…

 

後半のⅤ7→Ⅴ#dim7→Ⅵm7のⅤ7とⅥm7の間にⅤ#dim7を入れる「クリシェdim」の点から邦楽的なイメージを持ちやすく、聴きやすい耳馴染みのある楽曲になっていると感じました。

 また、演奏陣も素晴らしい。皆川さんのイントロのちょっとスタッカート気味なピアノやハマ・オカモトさんのスラップベース、石若さんのタイトなドラミングプレイが滅茶苦茶グルーヴィーで自然と体が動いてしまいますね。気持ちいい。

 さらに素晴らしい点として挙げたいのが小野寺伯文さんのレコーディングと髙山徹さんのミックス,山崎翼さんのマスタリング。音が良く、Spotify等サブスクで聴いてもドラムのキックとベースが前に出てとても心地よく、また各々の楽器が物凄く聴きやすい。挙げたお三方は他にどんな曲を携わっているんだろうと思って色々調べてみましたら凄い方々なんですね…

 

 小野寺伯文:

www.studiopenta.net

 

 髙山徹さん:

natalie.mu

natalie.mu

 

山崎翼さん:

tsubasayamazaki.jp

 

 これを機に思いましたがクレジット表記で作詞家,作曲家,編曲家、演奏者だけでなくレコーディングやミックス,レコーディング等のエンジニアの方たちについても調べたり語りあうのも面白いのかなと思いました。実際に山崎翼さんについては去年挙げた藤井風さんと(マスタリングで)繋がっているとは思いませんでしたし、新しい発見だなとつくづく思いますね。

 余談ですがライブバージョンもとても素晴らしいので興味のある方は是非。こちらは皆川さんのヴォコーダー入り。カッコイイ。

www.youtube.com

 

4.おもいでしりとり/DIALOGUE+

www.youtube.com

PV、配信日:4月6日,CD:5月19日

 

Words&Music:田淵智也

Arrangement&Sound Direction:睦月周平

Bass:田淵智也

Drums:山本真央

Strings:今野均ストリングス

Guitar&Programming:睦月周平

Vocal Direction:田淵智也

Recording Engineer:中村悠仁(VERYGOO),黒田かおり

Mixing Engineer:中村悠仁(VERYGOO)

Recording Studio:ROKU-st,PONY CANYON代々木Studio

Mixing Studio:ROKU-st

 

 TVアニメ「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」OPテーマ

 

 初めて聴いた時の感想は「メロが良い」。サビの「星に願いを できるだけ愛を おもいでしりとり」の「おもいでしりとり」部分が滅茶苦茶印象に残りやすく良いメロだなぁと沁みじみ思います。何故印象に残りやすいのか、自分なりの解釈ですがこの曲のKeyはF#でサビの頭は王道進行になっていて

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(前半2小節メロ間違ってる可能性あり)

最初の2小節は殆ど同じメロディの繰り返しですが3小節目でファ#からド#へと5度高く移行し、この4小節の最高音になります。そうすることで1,2小節のあまり変わらなかった景色が3小節目で景色が変わる、開けるような効果をもたらしているように聴こえます。そして4小節目の最初のコードがD#m9でメロが9thとなっており少し複雑な切ない響きになります。しかしすぐにD#m7に戻るのでとても安心感があります。つまり「おもいでしりとり」の部分は「2小節後に景色が開けるような音の高いメロディーから急に切ない雰囲気を醸し出しつつ安定して終わっていく」といったことをしているので印象に残っているのかなと思いました。他にも「おもいでしりとり」と歌う後ろでstringsが同じメロディを弾いている(ユニゾン)のもメロディーが強調され印象に残っているのかなと思います。

 

 また自分のこの曲の好きな理由として「2000年代後半~2010年代前半くらいまでの切ない曲調だけどアップテンポなアニソン」楽曲の雰囲気を纏っているからです。以下、該当する自分の好きなアニソンを挙げると

 

colorless wind/結城アイラ(『sola』OP):2007年4月25日発売

 作詞:畑亜貴,作曲・編曲:大久保薫

 

euphoric field/ELISA(『ef- a tale of memories.』OP):2007年10月24日発売

 作詞:酒井伸和 , 訳詞:西田恵美 ,作曲・編曲:天門

 

Once/原田ひとみ(『いつか天魔の黒ウサギ』OP):2011年7月27日発売

 作詞:岩里祐穂,作曲:清水武仁,編曲:小森茂生

 

Authentic symphony/ChouCho(『ましろ色シンフォニー -The color of lovers-』OP)

 :2011年10月26日発売

 作詞:こだまさおり,作曲・編曲:虹音

 

シグナルグラフ/Annabel(『恋と選挙とチョコレート』OP)

 :2012年7月25日発売

 作詞:Annabel,作曲・編曲:myu

 

starlog/Choucho(『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』OP):2013年7月31日発売

 作詞:松井洋平,作曲・編曲:川本新

etc…

 

 (全曲ではありませんが)これらの共通項として

 

 ・サビ(特にサビ頭)が王道進行(4536進行)or 456進行

 ・stringsが全面的に入っている

 

といったことが挙げられます。以上の2つの共通項が「おもいでしりとり」にも入っているので好きになるのは必然的なのかもしれません。*2

 

(前略)

――そういう意味でも、サビに出てくるカギカッコが使われた、掛け合いのようになっている部分は非常に大事になるような気がします。  

稗田 その部分は、カギカッコごとに歌詞がしりとりになっているんですけど……。

飯塚 私、その中の“「行かないで」”とか“「できるだけそばに」”みたいな言葉が、沙優ちゃんが本当は言いたいけど言えない気持ちだと解釈していまして。それ以外の部分には作り笑いをしちゃったり本心を言えなかったりする、みんなに見せる沙優ちゃんが出ているのかな、という感じがしています。  

緒方 しかも、しりとりが後半になるにつれて想いがだんだん高ぶっていっている感じが読み取れるのも、すごく素敵なんです。  

飯塚 で、Dメロを経ての“「好きです」”がねぇ……。  

緒方 ね! 「あー!」ってなった。  

内山 ずっと言いたかったことが、やっと言えるんだもんね。だから私、1曲の中だけでも成長を感じました。

(以下略)

引用元:儚くきれいに、言葉と想いを繋ぐ――。DIALOGUE+「おもいでしりとり」リリースインタビュー リスアニ!WEB

 何故タイトルが「しりとり」がついているのかと思ったらそういうことだったんですね…知りませんでした。流石田淵さんですね…

 

5.ねずみ浄土/GRAPEVINE

www.youtube.com

PV、配信日:4月6日,CD:5月19日

 

作詞,作曲:田中和将

 

 今年で1番歌詞が印象に残っているといったら「新しい果実」(アルバム名)収録の曲たちでした。その中でも印象に残っているのがこの曲。キャリア20年以上のロックバンドがブラックミュージック由来の曲を出したのが驚きでした。

 曲の始まりからいきなり高いファルセット、ドラムのリムショットがブラックミュージック感を出していますが、面白いのはL.Guitarの歪みですね。Fuzz並み、いやそれ以上に歪んでいますね。ブラックミュージックだとギターの歪みはクランチ気味ぐらいが常套手段ですが、そうしないのがロックバンド的といいますか、挑戦的であると思います。

 歌詞は

(前略)

──「ねずみ浄土」に出てくる「新たなフルーツ」というフレーズは、アルバムタイトル「新しい果実」に直結してますね。  

田中 そうですね、象徴的な言葉かなと思いまして。ニューノーマルとか、今のご時世いろんなことが言われてるじゃないですか。この曲の歌詞にはもっといろんな意味合いを含ませているんですけど、西洋の宗教や日本の土着的なことも交えつつ、今の世相や時代を描いたつもりです。僕の悪い癖で、ちょっと複雑にしすぎたきらいもありますが。  

──いろいろなメタファーを提示しながら、結局、答えまでは歌っていないのも田中さんらしいなと。  

田中 答えからはどんどん遠ざかってますね(笑)。「葛篭はどっちでしたか」と歌ってますが、二元論になりがちな現状に対する自分なりの考えも込めてますね。

(以下略)

引用元:GRAPEVINE「新しい果実」インタビュー|愚直なまでに音と時代に向き合ったアルバムはどのように生まれたのか 音楽ナタリー

「アダムとイヴ」,「復楽園」,「オリジナルシン」等旧約聖書関連の言葉から西洋の宗教と「おむすびころりん」の日本の土着的なことを交えた世相,時代を描いているといった発想がぶっ飛んでいますね。最後の「好き嫌いはよせ」の通り、二元論に対する現状批判も描かれてますね。

 正直いうと歌詞の内容が難しくてあまり書けないんですけど気になるのが割とこの曲に関するインタビューでは西洋の宗教部分と日本の土着的部分が多く語られてるイメージなんですけど、

いいかい? これはゲーム

一切受け入れてしまおう

いいかい? まずはプレイ

誰だってビギナーからのスタート

引用:GRAPEVINE - ねずみ浄土(Official Music Video)youtube概要欄より YouTube

ここの部分が個人的にひっかかるんですよね…うーん…

 この歌詞を踏まえての韻の踏み方も凄いですよね。

新たなフルーツ(a a a a u u u

アダムとイブ (a a u o i u

あなたは喰う (a a a a u u

まばたきもせず(a a a i o e u

 

おやすみダーリン  (o a u i a i

鼠降臨       (e u i o i

おむすびころりん  (o u u i o i

 

こう韻を踏むことでリズムが乗りやすく無理にリズムが崩れないので心地よいですね。にしても取り合わせの単語が凄いですね。

 

(前略)

ーー田中さんご自身では、聴き手に『新しい果実』をどのように聴いてほしいでしょうか。

昨今、どちらかというと、答えが出ている音楽を人々は求めている気がするんです。説明的な、わかりやすく盛り上がれるもの、わかりやすくエモいものなど。でも、この『新しい果実』では、イントロが長かったりとか、そういった流行の音楽とは、けっこう真逆のことをやっていると思うんですよね。

だからこそ、聴き方としては、自分のほうに僕らの音楽を引き寄せて、いろいろな想像をしてみてほしいんです。世の中のことを歌っているので、さまざまな捉え方ができる曲ばかりなんですよ。何かを考えるヒントや、議論のきっかけとして、聴いてもらえればいいなと思いますね。

ーー考察しながら聴くというのも、音楽の新しい聴き方の良さでもありますよね。

それがね、難しいところでもあるんですよ。最近音楽を聴く方のなかには、わからない曲はすぐ飛ばしちゃう人も多いんですよね(笑)。

(以下略)

引用元:GRAPEVINE・田中が語る「流行の音楽とは真逆なことをしている」アルバム

の魅力 anan web 

 

(前略)

──歌詞を通して、世に物申したい気持ちも?  

田中 それは常にありますよ! 前作も前々作も前々々作も。ストレートな歌詞ではないから伝わってないかもしれないですけど。今回も世の中のことだったり、人間のことを書いているので、今のこういう状況の影響も反映されてるでしょうし。

(以下略)

引用元:GRAPEVINE「新しい果実」インタビュー|愚直なまでに音と時代に向き合ったアルバムはどのように生まれたのか 音楽ナタリー

 確かに楽曲は「歌詞に共感性」や「難しくない歌詞」等のわかりやすい楽曲がTik Tok等ネット上では広まりやすいですが(個人的な意見ですが)本楽曲のように世の中に対して色んな想像を出来るような歌詞、楽曲は広まるという意味では難しいかもしれないです。しかし、世の中に対する意見、批判を楽曲というアプローチでずっと行っているGRAPEVINEという存在は稀有だと思います。まぁ「新しい果実」の世相批評は結構批判的なイメージなので目が覚める感じでしたね。Tr.6の「」は「阿る(おもねる)」ですしね…「阿るミュージック」…

 

6.LINE LOOP/サンドリオン

youtu.be

視聴動画:5月17日,配信日:5月19日

 

作詞:やぎぬまかな

作曲:木暮栄一 (the band apart)

編曲:田中秀和 (MONACA)

the band apart are 荒井岳史 [Guitar] 川崎亘一 [Guitar] 原 昌和 [Bass]  木暮栄一 [Drums]

All Other Instruments & Programming:田中秀和(MONACA)

Vocal Direction & Chorus:やぎぬまかな

Mixing Engineer:高須寛光(VICTOR STUDIO)

Mixing at VICTOR STUDIO 202studio

Recording Engineer:速水直樹, 藤城真⼈(origami PRODUCTIONS)

Recording at AG STUDIO, big turtle STUDIOS  

the band apart by the courtesy of asian gothic.

Mastering Engineer:山崎 翼(Flugel Mastering)

 

 クレジットに山崎 翼さんいる…マジか。

 

 初めて聴いた感想は「完全にバンアパじゃん」。まぁバンアパが演奏しているのでそうなるのは必然的ですが。

 驚きだったのが作曲が木暮さんだったっていうことですね。勝手なイメージですがバンアパでは木暮さん作曲の曲は「ノード」や「light in the city」等ドラミングプレイが独特=リズムが独特なイメージを持っていたのですがこの曲を聴いて「ポップな曲書くんだ」と思いました。本楽曲のドラム展開の数は多いですが割とメロディに沿ったドライングプレイをしていると感じました。(特にAメロコーラスの「overtake o overtake」部分。ベースと相まって音ハメが気持ちいい。)

オマージュなんだろうな…この頃だとWORKING!!の1期(2010年4月~6月放送)とか侵略!イカ娘1期(2010年10月~12月放送)とかの少しわちゃわちゃした感じですかね?完全に空想ですが。

 

 ご存知の方も多いと思いますが編曲の田中秀和さんは「V字上昇Victory」や「Ms.Rからの新着メール」など明らかにバンアパオマージュ編曲される程にはバンアパ好きで知られていますね。「Ms.Rからの新着メール」とか曲の流れが非常に「amplified my sign」ですし。本楽曲にも手拍子(「Moonlight Stepper」や「Castaway」など)等バンアパ楽曲を匂わす編曲になっているかと思います。

 改めて聴いても多幸感が凄いですね。メロディに対し無理のない文字数でアニメの様な世界観を纏ったやぎぬまかなさんの歌詞、バンアパ特有の複雑なコード進行によって感じる情景、そしてそれらをバンアパ愛で包み込んだような田中秀和さんの編曲、この3拍子がかっちりと噛み合わさって多幸感を生み出しているように聴こえました。

 

そら感情になりますね…(感情+LINE LOOP→感情+線loop→感情線loop)

 

7.ウラノミト/月ノ美兎

www.youtube.com

PV、配信日:7月17日,CD:8月11日

 

作詞:只野菜摘

作曲・編曲:広川恵一MONACA

 

 

 当時、このツイートで月ノ美兎さんがソロアルバムを出すことを知りtwitter内に貼ってた動画リンクを覗きに行って、作曲家陣がバラエティ豊か過ぎて笑った記憶があります。ASA-CHANG&巡礼,大槻ケンヂ&NARASAKI,長谷川白紙,堀込泰行いとうせいこう…今見ても凄いな…

 バラエティ豊かなアルバムですが、アルバムをフルで聴いてみて割とサウンドの統一感があったのが意外で驚きました。イメージとしては「80年代のリバーブ感」。サウンドは完全に現在のものなんですけど何故かちょっと懐かしい感じがしたんですよね。

 この「ウラノミト」もイントロが80年代を感じるエレピの音で懐かしさを感じます。このエレピやタイトルの通り最初の一声「moon light ツキノオト」は16分「ウラ」から入ったり、「(月の裏から)」のヴォコーダーがあったり僅かにファンクやソウルの匂いがしますね。

 しかしベースはサウンド面、プレイ面でもロック色がありますね。歪んでいるし、ずっと動いている(=休符が少ない。)。まぁそれは

 この面子であれば自ずと「CRIMSON LOVERS」が想起されますが、「CRIMSON LOVERS」のロックなサウンド感で(広川さん本人は本楽曲を「アシッドジャズ風」とツイートしている。)ブラックミュージックをやったら…という曲なのかもしれない。かなりの妄想ではありますが。

 歌詞でびっくりしたのが「どっちを選んでも ひとりの女 ひとつのカオス」。時偶、動画の絵を頼む友人のcoonelVtuberについて話したことがあったのですが、彼曰く、Vtuberの黎明期は中の人の性格を出さずに「キャラ設定」ベースでコンテンツを生み出していたと。だがしかし、それを無視していって「中の人」の性格でも出すようになり、今のVtuber界隈の状態に至ると。先程挙げた歌詞は正に「Vtuberのキャラ設定(月ノ美兎でいうと清楚)、中の人(月ノ美兎でいうとサブカルクソムカデ?)どちらを選んでもカオス」だと。黎明期のコンテンツ方法はとっくに終わったよとVtuber自身がそれを歌うというのが衝撃でした。(自分はVtuberは詳細に知らないので、間違っていたらすみません。)

 余談なんですけど月の裏側って結構写真で見ると結構不気味なのご存知でした…?(※検索注意)

 

8.EVERBLUE/Omoinotake

www.youtube.com

配信日:10月1日,PV:10月12日,CD:11月17日

 

作詞:福島 智朗

作曲:藤井 怜央

編曲:蔦屋好位置 omoinotake

 

 TVアニメ「ブルーピリオド」OPテーマ

 

 自分自身は確か「blanco」で彼らのことを知りましたが、スローテンポな楽曲の多いイメージを(勝手に)持っていたので、メジャーデビュー作の本作は今まで以上にアップテンポな楽曲で驚きました(アニメタイアップの影響もあると思いますが。)。

 やはりこの楽曲を印象付けるのはラテンを感じる16分ピアノでしょう。特にAメロでは16符裏,表休符が多くバスドラの4つ打ち、スラップベースと相まってクールなグルーヴを感じます。

 この楽曲の評判を見てみると割と「山下達郎」のワードを多く見かけました。初めに聴いた時は何もそう思わなかったのですがそれを踏まえて改めて聴いてみると確かに「っぽさ」は分からなくないような気がします。個人的には「歌の切り方」かなと思っています。冒頭Aメロのレ#ファ#ソ#→「白む」の「む」が「むぅっ」と聴こえ、語尾を張り上げるこの感じが山下達郎さんっぽいのかなと感じました(この切り方は特に「sparkle」を思い出させる。)。まぁ彼自身も

peing.net

こちらで「山下達郎さんに感銘を受けています。」といった旨を書かれているので何かしらの影響はあるとみてもいいのではないでしょうか。

 

 個人的に好きなポイントはサビに入る前の16分メロですね。かなりブラックさを感じてカッコイイなと思います。

 

9.UNTITLED MAGICAL GIRL/南野このみ(CV.首藤志奈),西脇ヒカル(CV.湯浅かえで),東條優奈(CV.内田秀)

www.youtube.com

発表日:10月7日

 

作詞:イシイジロウ,FiFS

作曲:蓮尾理之(siraph)

編曲:蓮尾理之(siraph),照井順政(siraph)

 

 皆さんは「魔法少女」と聞かれてどの魔法少女の印象が強いですか?「カードキャプターさくら」,「リリカルなのは」,「まどマギ」…様々な時代に魔法少女ものはありますが、また新たな魔法少女ものが2022年、スマホゲームとして誕生するそうです。

(前略)

《『純潔の魔法少女‐UNTITLED MAGICAL GIRL‐』とは》  

魔法少女年代記を切り口で、 その時代時代の魔法少女に写しだされる青春時代の少女像を描こうとする作品。  誰かによって作られていく価値観や常識にとらわれず、自分を貫き、自分の理想の姿と幸せを追い求める、新しい魔法少女たちが奮闘する物語。

(以下略)

引用元:魔法少女プロジェクト『UNTITLED MAGICAL GIRL(仮)』2022年にスマートフォン用ゲームアプリ化決定!タイトルを『純潔の魔法少女‐UNTITLED MAGICAL GIRL‐』へ  PRTIMES

 という内容で各年代によって話が分かれているそうですね。80年代は「星の魔法少女篇」、90年代は「翼の魔法少女篇」、00年代は「花の魔法少女篇」となっており各年代にも主題歌があります。

 

80年代

タイトル:恋する魔法少女☆          

作詞:イシイジロウ,FiFS 

作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND

歌:笠原弘子

 

→映像,楽曲からも80年代特有のシティポップに感じる。

 

90年代

タイトル:希望の翼

作詞:イシイジロウ,FiFS 

作曲:奥井雅美 

編曲:鈴木Daichi秀行(Cubic Records)

歌:奥井雅美

 

サウンドは小室サウンドを意識している感じに聴こえる。

 

00年代

タイトル:FLOWERY MY WAY

作詞:イシイジロウ,FiFS 

作曲・編曲:JUVENILE

歌:May'n

 

→映像,楽曲からも深夜アニメ・エロゲのOPを感じる。

 

 各年代の楽曲を聴いてみるとその年代の特色に特化した楽曲となっており、各年代の世界観をより楽しめる楽曲になっているかと思います。

(前略)

80年代をテーマにした「星の魔法少女篇」、90年代をテーマにした「翼の魔法少女篇」、00年代をテーマにした「花の魔法少女篇」、3つの時代を締めくくる最後のイメージムービーである第10話「純潔の魔法少女(「UNTITLED MAGICAL GIRL」)」を10月7日(木)にYouTube上で初公開いたしました。

(以下略)

引用元:魔法少女プロジェクト『UNTITLED MAGICAL GIRL(仮)』2022年にスマートフォン用ゲームアプリ化決定!タイトルを『純潔の魔法少女‐UNTITLED MAGICAL GIRL‐』へ  PRTIMES

 そして上記の3つの時代を締めくくる楽曲が「UNTITLED MAGICAL GIRL」となっています(各時代の魔法少女が一緒に歌唱しているので「3つの時代を締めくくる楽曲」という事が想像に容易いことだと思います。)。

 そのため本楽曲は「2010~20年代」の雰囲気を纏った楽曲に感じます。

 まずは冒頭のポエトリーリーディング。日本において形態としては昔からありますが、表に触れる機会があったのは割とこの時代なような気がします。ラップにしても「不可思議/wonderboy」や「MOROHA」,「狐火」、バンドとしても「amazarashi」、ボカロとしてもこちらのブログで主に2010年付近以降の楽曲が多く、また声優楽曲としても去年挙げたイヤホンズの「記憶」もありますし、さらに最近のコンテンツとしても「Princess Letter(s)! フロムアイドル(プリレタ)」でポエトリーリーディング楽曲があります。

 そしてジャンルの取り合わせ。少し高音なkickやsnareの音でクラブミュージックの感じがしますし、(恐らく照井さんによるものだと思いますが)ギタープレイはサビのカッティングBメロのワウ→ブラックに感じるプレイ部分もあるし、サビ終わりのディレイが掛かった3連符の様なアルペジオプレイはポスト、マスロックにも感じます。さらにそこへストリングスやウィスパーヴォイスが加わることでアニソン的でもあるし、様々なジャンルの音、プレイが取り合わさっているように聴こえます。こういった楽曲といえば極端な例だと「ヒャダインさん楽曲(今年でいうとこれ)」や最近では「ずっと真夜中でいいのに。」もそういう風に聴こえます。

 この楽曲面白いのがポエトリーリーディングが終わった後のAメロなんですが

 

f:id:KUSHIKUSHI:20211211200416p:plain

(リズム譜)

 

最初に1/4拍子が挟まってしかも4つ打ちのバスドラは1拍ウラから入るというとても違和感ある入りになっています。しかしベースはサビまで入らないので低音部分はバスドラだけであり、必然的に4つ打ちのリズムに強く引っ張られ、逆にピアノが裏拍で入ってるような錯覚を起こし、違和感なく聴けるようになっています。裏だけど4つ打ちに引っ張られ、錯覚を起こす面白い仕掛けだと思います。

 個人的には大サビ(と思われる)所がとても好きです。ここのメロディ、サウンドが何故かとても「包容感」を感じるんですよね。そして5小節目の不穏さを感じるコード…このコードがあまり聴いたことのない感じで新鮮と共に心に響く感じがしました。

 今年、クレジットで割と蓮尾さんと照井さんを見た気がします。照井さんは他の方がブログで書いてらしゃいますが、蓮尾さんは上田麗奈さんの「anemone」や結城アイラさんの「A Promise」、jubilee jubileeさんの「虹色ガーランド」など作・編曲されていましたね(個人的に「虹色ガーランド」のコード感が蓮尾さんを感じる。)。まぁ蓮尾さんと照井さんがメンバーの一員である「siraph」でも新曲出してましたね。

 「UNTITLED MAGICAL GIRL」早くフルで音源化しないかな…

 

10.EVERLASTING(M@STER VERSION)/本田未央(CV原紗友里)、辻野あかり(CV梅澤めぐ)、双葉杏(CV五十嵐裕美)、木村夏樹(CV安野希世乃)、アナスタシア(CV上坂すみれ)、 ナターリア(CV生田輝)、 橘ありす(CV佐藤亜美菜)、輿水幸子(CV竹達彩奈)、依田芳乃(CV高田憂希)、川島瑞樹(CV東山奈央)

www.youtube.com

視聴動画:11月12日,CD:11月24日

 

作詞:森 由里子

作曲・編曲:田中秀和(MONACA)、滝澤俊輔(TRYTONELABO)、睦月周平

Vocal Recording Engineer 野田隆之

Mixing Engineer 近藤圭司(SIGN SOUND)

E.Guitar 堀崎 翔

E. & A.Guitar 睦月周平

Bass 兼子拓真

Piano 滝澤俊輔(TRYTONELABO)

Drums 山本真央

Violin CHICA 岡部 憲 沖 祥子 押鐘貴之 杉野 裕 杉山由紀 藤家泉子

Viola 金 孝珍 細川亜維子

Cello 岩永知樹 江口心一

Trumpet エリック・ミヤシロ 鈴木正則

Trombone 中川英二郎 半田信英

Horn 内藤貴司

Flute 多久潤一朗

Oboe 最上峰行

Clarinet 東 紗衣

Faggot 長 哲也

 

 こんなのずるじゃん!!

 

 田中秀和(MONACA)さん、滝澤俊輔(TRYTONELABO)さんが作編曲した5周年曲「EVERMORE」コンビに加えて睦月周平さんが加わっただと…おかしくなっちゃうよ

 

www.youtube.com

 「EVERLASTING」作曲対談動画として、親切にも日本コロムビアさんが2021年11月17日「もっと!デレステ☆NIGHT」にて放送されたマジカルエキストラタイムのフルバージョンを動画で上げて下さっています。これによると

 1.発注書に書かれてたキーワードが「カオス」→最初は「カオス」を軸に作っていっ

  た。(4:17辺り

    2.作曲面ではカオス、編曲(特に音像で)シンデレラ感を出している。(8:09辺り

 3.本楽曲はイントロ(ドラムが入る所から)から作った。そこから取っ掛かりがで

  き、どう進めていくかの指針になった。そのイントロは滝澤さんを中心として制

 作。(17:0223:42辺り

 4.Aメロは睦月さんが主に制作。分数aug多め。(18:1122:25辺り

 5.間奏のメロは10曲の既存楽曲から拝借。それ以外にもこの楽曲は10に関連する箇所

  がいくつかある。(26:0436:36辺り

 

 etc…(他にもトピックはありますが割愛)

 ということを対談で仰っていました。

 

 

  1,2に関して,音楽プロデューサーの柏谷さんが「シンデレラのアイドルは色々な個性な子がいっぱいいるのでそういうことをどう伝えるかというと『カオス』って言葉があったので…」という旨の発言を仰っていますが、確かに本楽曲はカオスに感じますね。(ジャケットのイラストからも全員が違う方向に指さしていることからも十人十色の個性を表していることが分かる。)

 

  構成

  • イントロA(00:00~00:44)

  ストリングスパート。複雑なコード感がMISIAさんの「everything」を想起させる。

  • イントロA(00:44~00:54)

  3.部分。6/8でコードが変わっている部分がカオスさを加速させているように聴こえ

 る。EVERMOREでも歌い出しは41秒くらいまでですがEVERLASTINGはもっと長い54

 秒。現代の楽曲としてはかなり挑戦的であるがアイマス関連楽曲は現在、サブスクを 

 していないのでイントロを短くする、なしにするといったことを恐れずに出来るのか

 もしれない。

  • 1A(00:55~01:25) 

  4.部分。確かに分数augが3,4,7,8,12小節等で聴こえる。多く分数augを出して

 いるのにこれが田中さんではなく睦月さんによるものと思えば面白いのかもしれな

 い。

  • 1B(01:26~01:33)

  符点4分音符なメロディーとキメが印象的なセクションである。

  • 1サビ(01:34~01:53)

  安定のⅠ→Ⅶm7-5→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅴm7進行。田中さんが手掛けた「Star!!」や

 「M@GIC☆」(厳密に言えば「Star!!」はⅠ→Ⅶm7→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅴm7)、滝澤さん

 が手掛けた「Shine!!」のサビにも使われているので、2人が使った進行として10周年

 という大きな記念曲に採用したのかもしれない。*3

  • 間奏1(01:54~02:03)

  ドラムがサビと同じ8ビートを叩いているのでサビの余韻を持ったまま2Aへ

  • 2A(02:04~02:33) 

  1Aのドラムはリムショットだったが、2Aはタムになっている。そのため1Aの「始

 まり」感はなく、サビの余韻を1Aほど減らさずに進んでいるように聴こえる。

  • 2B(02:34~02:42)

  サビ前は1Bではベースとドラムが入っていなかったが2Bでは入っている。

  • 2サビ(02:43~03:02)
  • 間奏2(03:03~03:23)

  タタッタタッタタッタタッタッタッの2小節ドラムが印象的。Bのような符点4分音

 符なメロディーとキメが少し出てくる。

  • Dメロ(03:24~03:48)

  バスドラは4つ打ちになり、メロディーは音数も少なく伸びやかで、サビ程ではな 

 いが、盛り上がりを見せ、次のセクションの繋ぎに聴こえる。

  • 間奏3(03:49~04:12) 

  5.部分。10曲のメロディーが入っている。バスドラは4つ打ちだがコードや時計の秒

 針が6/8拍子で刻んでいるのでここも少し「カオス」に感じる。

  • 3サビ(04:13~04:40)

  ダメ押しのサビ冒頭のキメ。そしてここでも一瞬だが「1.Blank Paper」の箇所で

 も書いた途中で4つ打ちに変化する。これでも充分に好きだが、さらにサビラストを

 際立たせるドラムのスネアのタンタンタンタン叩きが出てくるので堪らない。個人的

 にこのサビラストに出てくるドラムのスネア叩きのことを「Snow halation叩き」と呼

 んでいる。今考えたが。

  • アウトロ(04:40~05:06) 

  基本的には間奏1と同じ。最後にはBのような符点4分音符のストリングスのメロデ

 ィーが来て、ジャーーーーンで終わる。

 

 ここまで書きましたが、「カオス」といいますか内容が濃すぎますね。1曲で何かしらのアトラクションに乗っているような気分になります。この曲に携わった皆さんたちの本気といいますか、アイドルマスターシンデレラガールズに対する愛を感じました。

 

以上10曲になります。
入りきらなかったやつはこちら↓


愛わずらい/文坂なの

   ➡昭和歌謡×ネオポップ。サウンドがかっこいい。

シンゴ/Tempalay

   ➡この曲というかアルバムが物凄く良かった。

/King Gnu

   ➡これを今の日本の音楽シーンにぶち込むのはとても挑戦的。

ひかりのディスコ/CAPSULE

   ➡6年振りの新曲。サビの同じメロディにコード進行が変わっていく感じが良

    い。

悶々/Cody・Lee(李)

   ➡サビのコード進行が面白い。30・40代のバンド世代にはニヤッとする歌詞だと

    思う。

エンパシー/ASIAN KUNG-FU GENERATION

   ➡音は「現在」のだが曲調が「昔」のアジカンに感傷に耽る。

Nemesis/cero

           ➡冒頭のピアノのコード感が物凄く好き。

運命/はるまきごはん×煮ル果実 feat.初音ミク&v flower

   ➡サビのギターがうるさい。120点。

往け/LiSA

   ➡編曲江口亮の音。

バッキンガム/水曜日のカンパネラ

   ➡「宮殿」と「給田」を説明しているだけなのに何故こんなにもかっこいいん

    だ?

仏だけ徒歩/東京事変

   ➡もうニルヴァーナか!

 

おわりに

 今年の10選の楽曲を見てみると割とコード進行とかではなくリズムに注目した(特にブラックミュージックとか)視点で好きになった楽曲が多かった気がします。毎度のことですが、自分が好きな曲ばっかりを選んでただ好き勝手に書き連ねただけですのでとても読み辛いですが、「好き」という思いが伝わったのならとても幸いです。


 最後まで拝読ありがとうございました!皆さんの記事も素晴らしいので是非アドベントカレンダーへGO!!

(再び貼る)↓

adventar.org

*1:ブログを一通り書き終わった後、偶然にkamome sano feat. Marpril「キミエモーション」を知りましたが、これも「2ステップ+他のジャンル(四つ打ち)」になっていたので注釈として残しておきます。

*2:注釈1同様にブログを一通り書き終わった後、「ラブライブ!スーパースター!!」第3話挿入歌である 澁谷かのん、唐 可可の「Tiny Stars」を知りましたが、これも4.おもいでしりとり/DIALOGUE+で書いた共通項が一緒でこれも好きになりました…またこの曲を聴いて9nineの「SHINING☆STAR」を思い出しました。これも「STAR DRIVER 輝きのタクト」のOP曲(2011年3月9日発売)で2000年代後半~2010年代前半くらいまでの切ない曲調だけどアップテンポなアニソンです。

*3:そういえば睦月さんの作編曲した「ずるじゃん」のサビもこの進行だな…と思っただけ。

2020年発売,配信の印象に残った曲10選

2020年発売,配信の印象に残った曲10選

 

 はじめましての方ははじめまして、

 KUSHIと申します。

 

 今年もなまおじさん主催の楽曲オタク Advent Calendar に参加させて頂きました!

adventar.org

 

 曲を決めた条件は去年と同じです。

  • ジャンル不問。
  • 同じアーティスト楽曲は無し、最大1曲まで。

としています!

 曲順は動画配信(youtube等),配信,CD発売日の早い順からとします。 

 

※注意点

・コードの話とかも書いてあるのですが、解釈違いや知識不足な点があるかもしれませんのでご了承下さい。

・去年も同様ですが、一人呟き,感想,日記みたいな内容です。

・主にリンク先はYoutubeApple Music,Spotifyとしています。

今年もジャンルバラッバラです。ご了承下さい。

 

 

1.幽霊であるし/ニガミ17才

www.youtube.com

動画配信日:1月12日,配信日:2月7日

 

作詞:岩下優介

作曲:ニガミ17才

 

 「ヨルシカ」,「ずっと真夜中でいいのに」,「YOASOBI」が好きなリスナーを「夜好性」と呼ばれたように、昨今は「夜」を連想させるような楽曲群が増えたと自分は思っています。その背景には海外でのcity popが再評価されたり(有名な例としては竹内まりやの「Plastic Love」がYoutubeで現在4500万回以上(違法動画であるが)再生されていたり、松原みきの「真夜中のドア/stay with me」が世界47ヶ国のApple Music J-PopランキングでTOP10入りした、というものがあります。)、Lo-fi Hip Hopやchil等が流行したりしている点が挙げられます。

 また自分はボカロで曲を作ったりしていますが、このボカロ界隈でも「夜」を感じるお洒落な曲が流行ってる気がしますね。個人的にですが。(といいますか上記3組のアーティストもボカロに関連してますね。)

 話が脱線したので戻しますが、「夜」を連想させる今年の楽曲のうち印象深く残ってるのがこの曲です。何故この曲かといいますと「リズムの異常性」です。まず頭のイントロなのですが…

 

 拍,リズムがわかりづらいっ!

 

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 イントロ頭のリズム楽譜作ってみましたがシンセ以外のパートのリズムパターンが一定性がなく、バラバラなんですね。また、ドラムハイハットの入りの解釈が難しい。この楽譜では1/8拍を前にずらして全体的に合わせているのですが、これを3/8の小節の方に合わせて2/4と解釈するのかもしれないのです。複雑すぎる…(この楽譜合ってるかも自信ないです。)。2つ目のイントロ(雨に唄えば~の部分)からもキメが多く複雑なものとなっています。

 次にメロディーなのですが、これも全体的にリズムが複雑ですね。

 

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 例として1Aの最初のメロディー部分をリズム譜にしましたが、8分,16分音符の往来で休符共々規則性がないので複雑ですね。ただ、Bメロの「to to to」や1サビの「もがいて もがいて もがいて」など繰り返し歌うことでキャッチーまたは複雑なメロディーの箸休めにしている部分が垣間見えます。

 また、メロディーのリズムとしての歌詞が独特で凄いです。特に2サビの「有明産のりみたいに」はインパクトが大きいですね。「あ(a)りあ(a)けさ(a)んのり(i)み(i)たい(i)に(i)」という風に”a”や”i”で韻を続けさせ、リズム感を生み出しているのですが、そのワードが「有明産のりみたいに」って…。

 メロディーを含め、リズムが異常な程の複雑さを伴っているこの曲ですが、ギリギリの均衡を保ってるのは前バンドがBa.&Vo.だった現Gt.&Vo.岩下優介の作詞&ソングライティング力や崩れない演奏をしているバンド全体の演奏力がハンパじゃないものだからでしょうか。いずれにせよ、「夜」という流行色×バンドの色が強烈に混ざった快(怪)作だと私は思います。

 ちなみにでんぱ組.inc曲提供してるそうです。こちらも独特なので気になった人は聴いてみて下さい。

 (歌詞引用元:ニガミ17才 MV「幽霊であるし」 (Nigami 17th birthday!! "you lay de arushi..." )の概要欄から引用)

2.絶対零度/赤い公園

www.youtube.com

CD,配信ともに1月29日

 

作詞,作曲:津野米咲

 

 「空挺ドラゴンズ」EDテーマ

 また今年も赤い公園選んでしまった…

 初めてこの曲を初めて聴いたのはED映像でしたが、初めて聴いたときの「ゾクゾク感,ワクワク感」が堪らなかったのでとても印象に残っています。ワクワク感はサビで4つ打ち、王道進行となっている点、ゾクゾク感は、0:37~の独特なスケールのギターリフや変則的に3,4,5,拍子を多用している点,転調…等挙げられますが、自分が思うにこのワクワク感とゾクゾク感を大きく占めているのは「Vo.石野理子の声質、歌い方」だと考えています。「絶対零度」と称している様に冷たく、澄み切ったように一聴して思われるのですが、(サビが特に)どこか奥に熱を帯びているような…ーつまり「絶対零度」の言葉が持つ冷たさとそれに相反する熱さが同居することでよりリアルに「絶対零度」という言葉の意味を浮き上がらせて、ワクワク感やゾクゾク感を増幅させている様に感じました。(かなり抽象的な話ですみません。)

 後、歌詞も面白いですね

津野:共通点みたいなものを感じていたんです。竜を取って、食材として街に卸すという話で、この人たちは、無理かもしれないことを楽しみながらやって、切り拓いている。太字で書く冒険ストーリーではなく、すごく自然に楽しみながら、そういう旅をしているんですけど、それが自分にとってのバンドにも近いというか、バンドに向き合う姿勢として大事にしたいところだなと思ったんですね。見たことないものを見たいし、こうしておけば大丈夫とわかっていても、一歩めんどくさいところに足を突っ込んでみたり、そういう共通点を私は勝手に感じたので。「絶対零度」は、“もしも死海に飛び込んで生き残った金魚がいたら”という着想で書きました。

引用元:赤い公園 ”ずっと青春してる”4人に訊く、新体制で切り開くバンドの現在と未来

 

 こちらの記事でも書かれていますが逆境に挑もうとする”金魚”を主体とした歌詞になっています。上述のテーマの場合だと普通は人を主体として歌詞を書くと思うのですが、それによって一味違う歌詞になっていますね。

 余談ですがこの曲が入ったアルバムもとても良い作品になっているので聴いてみて下さい。ギター,ピアノ,ベース,ドラム等生楽器系統全部がいかんなく発揮されてるロック,ポップなアルバムです(1曲打ち込みの曲がありますが…)。

 

3.永遠の不在証明/東京事変

www.youtube.com

配信日:2月29日,CD:4月8日

 

作詞,作曲:椎名林檎

 

 劇場版「名探偵コナン 緋色の弾丸」主題歌

 2020年「再生」した(8年ぶりの再始動)東京事変ですが、この曲は作詞作曲ともに椎名林檎となっており、近年の彼女の作風が散りばめられています。

 1つ目はコード進行です。この曲はマイーナーキーなのですが、最初のコード進行が

 

 Key=Bm 

 Ⅰm→Ⅰm+5(Ⅵ/Ⅰ)→Ⅰm6→Ⅰm+5(Ⅵ/Ⅰ)

 Ⅳm→Ⅳm+5(Ⅱ/Ⅳ)→Ⅳm6…

 

となっており、これらの進行は過去にも、宮本浩次とコラボした「獣ゆく細道」の冒頭やトータス松本とコラボした「目抜き通り」の冒頭フランス語部分,林原めぐみに提供した「今際の死神」の冒頭等、近年の椎名林檎さんの曲に多く使われている進行です。

 2つ目は曲展開です。この曲の最後には映画のエンドロールを思い出させるようなテンポチェンジがあります。こちらも過去に、上述した「目抜き通り」や,向井秀徳とコラボした「神様、仏様」(拍子が変わる,テンポアップ),井上陽水トリビュートの「ワインレッドの心」等、こちらも近年の椎名林檎さんの曲に多く使われている曲展開ですね。

 ここまで「近年の」、「近年の」…と最近の椎名林檎さんの技法が表れた曲と書いてきましたが、古い頃の曲を聴き返しているとこちらの方にも僅かですが共通項が見られました。

 それは「サビのハッタリ転調」です。

 この曲の頭のコードがⅠm(Bm)ではなくⅠ(B)となっているので、「あれ?転調したのかな?」と思いきや次にⅥ(G)→Ⅳm(Em)とくるので実際には転調していません。こうすることでサビの雰囲気を変えつつもA,Bメロと同じ空気を纏わせる様な、ある意味一種のスパイス的な効果を表していると思います。

 で、過去曲にもこの様なハッタリ転調の曲が使われていまして、それが「虚言症」という2ndアルバム1曲目の曲です。この曲はkey=Bなのですがサビのコード進行が

 

 Ⅳ#M7(FM7)→ⅣM7(EM7)×2→Ⅵm7(G#m7)→Ⅱm7(C#m7)…

 

となっています。サビの独特な感じがⅣ#M7→ⅣM7の進行に表れていますね。他にも、サビではないのですが同アルバムの「病床パブリック」のイントロのギターもkey=Cmに対し

 

 Ⅰ(C)→Ⅴ(A♭)→Ⅲ(E♭)→Ⅲ7(E♭7)×2→Aメロへ

 

となっています。(key=CでⅠの他はダイアトニック・コード外という解釈もありますが…)

 このように今の椎名林檎さんの作風もありつつ、昔の頃の椎名林檎さんの作風もサンプル数は少ないですが共通している部分も見受けられ、色々変化していく(している)アーティストでも少なからず昔から変わらない部分もあるのだなとしみじみ思ってしまいました。自分の好きなアーティストの一人なだけに。

 

4.ワクワクmeetsトリップ/Pastel*Palettes

www.youtube.com

CD,配信ともに3月4日

 

作詞:織田あすかElements Garden

作曲,編曲:菊田大介Elements Garden

 

 Pastel*Palettesは「バンドリ!ガールズバンドパーティー!」発のアイドルバンドで、曲は可愛らしいものが多いです。今回の曲も可愛らしさもありつつ独特な曲となっています。

 今回の楽曲イメージはジャケットからも分かるように、「空,旅」の雰囲気を纏った曲に聴こえますね(アプリ内のゲームストーリーとしては「未知との遭遇」という内容なのですが、サビのこの部分で微かに後ろでちょっと緊張感のあるトレモロなstringsが鳴っているのでそれが「未知との遭遇」を表しているのかもしれない。)。

 まずこの曲は丸山彩(Vo.担当)の機内アナウンス風の語りから始まります。これにより、この曲の世界観がすっと入る良い導入となっています。また、イントロの「ワク×ワク×ワクmeetsトリップ」と若宮イヴ(Key.担当)がウィスパーで歌ったりシンセの音色,strings,リバーブ感等、空の雰囲気を醸し出す音作りになっているのが素晴らしいですね。

 後、何故だか懐かしさを感じるんですよね。特にメロディーライン。サビ頭の「ラソレシ ラソファ#ソファ#ミ」(オープン・ザ・ゲート!未知の先へ)とか、Bメロ頭の「ミレミ」(ミスを)とか…。歌謡的なんでしょうか?(分からない…)

 個人的に好きなメロディーラインはサビ後半頭の「ソ#~ラ~」(Wake Up!)ですね。「Wake」の時のコードがBmなのでソ#→13thですね。結構不安定。

 総合的に聴いて、世界観に対する音作りや懐かしさを感じさせるメロディーがグッときたのでこの曲はとても印象に残っています。バンド曲としても満足のあるものだと思います。特にベース。動く、動く。

 余談ですがこの曲のキーはGでサビのコード進行がⅣM7→Ⅲm7→Ⅵm7となっていて、これと同じ条件の曲が米米CLUBの「DAY DREAM」という曲なのですがこれも空のイメージな曲なんですね。(JALのCMソングだった。)キーGのⅣM7→Ⅲm7→Ⅵm7進行は空の雰囲気が出やすい進行なのかなと勝手に思っています。

 

5.23時の春雷少女/鬼頭明里

www.youtube.com

配信日:5月13日,CD:6月10日

 

作詞,作曲:田淵智也

編曲:やしきん,成田ハネダパスピエ

 

 この曲は歌詞、曲にも田淵節が強く表れていると思いますが、今回は「成田ハネダの編曲」について書きたいと思います(この曲について書かれたブログを見ると歌詞についての言及が多かったので。)。

 田淵智也さんとやしきんさんのタッグは今まででも数多く共演されています。UNISON SQUARE GARDENの楽曲(「to the CIDER ROAD」や「like coffeeのおまじない」,「君の瞳に恋してない」等。この時はやしきん名義ではなく小林康太名義。)や内田真礼さんの「ギミー!レボリューション」,最近ではDIALOGUE+の「20xxMUEの光」もそうですね。

 こうした何回もタッグを組んでいる二人の中に、パスピエ成田ハネダさんを投入することが自分にとって驚きと同時に新しい化学変化が起きるのじゃないかなと思いました。

 (メモですがこちらの記事で「ベースの田淵と成田ハネダはユニゾンがメジャー・デビューをしたばかりの頃にサポート仕事で共演。その後互いのバンドでイベントに共演した際に再会し、2014年にはユニゾンの自主企画にパスピエが出演。」と書かれています。パスピエはUNISONのトリビュートで「場違いハミングバード」をカバーしている事も含め、元々交流のある二人,バンドとなっています。

 引用元:パスピエが見せた、ライブバンドとしての実力 UNISON SQUARE GARDENとの『印象E』レポート

 

 イントロを聴いた瞬間「そういうことか」と思ってしまいました。完全にサウンド面は2人の今まで培ってきた音色をしていたのですがピアノ,シンセのフレーズの違和感で「ここ成田ハネダの仕業だな。」と思ってしまいました(確証はありませんが。)。フルで聴いて違和感のある部分(恐らく成田ハネダ関連部分)をまとめてみました。

  →これに関してはパスピエフィーバー」のオマージュ的要素かもしれない

  • Bメロ後半のピアノフレーズ: 0:51~(youtube)
  • サビ後半シンセフレーズ:1:15~(youtube)
  • Dメロとソロのピアノ,シンセフレーズ:2:37~(楽曲)

 ざっと書き出してみましたが、変で不協和音に近い様なフレーズですね。何故不協和音に近い(不協和音そのものな)音階が成田ハネダさん部分と思ったのか?それは彼が

成田:僕はもともと印象派の時代感とか背景が好きで。当時のフランスの音楽や絵画は、日本からすごく影響を受けたんですよね。逆に日本もフランスの文化から影響を受けたし。今もフランスと日本の文化って親和性があるというか、融合するものがある気がします。僕はそういうのが好きで、そのコンセプトでバンドを始めたんです。そういうものに感じる懐かしさみたいなものは、今回、表現できたのかもしれないですね。

引用元:最新アルバム完成。無限に広がるパスピエの世界

印象派の音楽に影響を受けている事を知っていたのでそう思いました(「パスピエ」は印象主義音楽の作曲家ドビュッシーの曲のタイトルから名付けた。)。印象派、または印象主義音楽の特徴の一つとして不協和音があり(十二音技法もこの頃。)、少なくとも影響は受けていると思います。

 では何故こういう風な不協和音を入れているのか?自分はそれは「歌詞」にあると思います。歌詞には「エラーコード!」や「フリーズ」,「プログラム確かに書き変わったんだ」と「システムのバグ=恋愛感情の複雑さ?」を表しているなと思いました。そのため、それを楽曲として落とし込むには不協和音が一番わかりやすい方法じゃないかなと思います。

 つまり

  1. 交流のある身近な人
  2. 複雑な感情をフレーズ等で考えられる人
  3. 2.の表現を演奏できる人

これらを総評したら成田ハネダしかいなかったかもしれません。もしかしたら「化学反応」というより「田淵智也の計画通り」かもしれませんが。

(再びメモですが「3.2.の表現を演奏できる人」についてこちらの記事から以下を抜粋

しました。)

――成田さんは東京藝術大学出身でクラシックを学んだそうですね。ピアノは何歳から?

成田:5歳から始めました。姉がピアノをやってたっていうのもあるんですけど、まぁ、気づいたらずっとやってたという感じで。いつの間にか自分の取り柄がピアノになっていたので、いつかはクラシックピアニストだったり、音楽を仕事にできたらなとは思っていたんです。

引用元:【インタビュー】パスピエ、“正体不明バンド”が成り立ちから未来のサウンド像まで語る

 

 話は変わりますがコードとか複雑ですよねこの曲。(以下は公式が発表したコード譜です。)

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 イントロはonコードの連続でルートがクリシェになっていますね。始まりを予感させる様な響き、コードワークに感じます。

 後、サビ<C>(歌詞で言うと「まるで春雷 目を奪って」から「(Are you press "NO"?)」まで)の各2小節ずつの冒頭のコード(F#m7以外)全部違うんですね…だからずっと情景が変わる様な感覚になっていたのかもしれない。ジェットコースターみたいに展開が目眩めく変わっていく…あれ?この感想去年も書いたような…

 

6.帰ろう/藤井風

youtu.be

CD,配信ともに5月20日

 

作詞,作曲:藤井風

 

 今年で一番話題になったニューカマーといえば彼で間違いないでしょう。TV等メディアで取り上げられたり、武道館でLiveを行ったりと躍進が凄かったイメージがありますね。自分も1stE.P収録の「何なんw」を聴いて「凄い人が出て来たなぁ」と思いました。

 今までの楽曲は上記した「何なんw」や「もうええわ」等ブラックミュージック由来の後ろめのノリな曲が多かったのですが、今回の曲は前ノリ、といいますかバラードになっています。

 この曲は流れが美しい曲だなと思いました。最初はピアノのみでAメロから歌が入ってきます。そのときにピアノは4分に刻みながらリズムを生み出してきます。そして2回目のAメロでハイハットとstringsが入ってきます。少し優雅になってきました。次にBメロです。転調し、ピアノのリズムが8分に刻まれ、少々リズミカルになり、ピチカートなstringsも相まってサビへ繋ぐ架け橋となっています。そして後半でリズムが元に戻ると、サビで全面にstrinngsがバーンと出てきます…

 

 気持ちいい…

 

 1サビの開放感、浮遊感が素晴らしいですね…それはAメロ、Bメロの刻んだリズムからの解放、その流れに至るまでの過程が美しいからだと感じました。また、stringsの広がり方もいいですね。Aメロ、Bメロのstringsは割と中域の音高ですがサビになると高域,中域,低域と全体的に広がるので開けた感じがよりサビに表れてますね。心地よい。

 この曲は歌詞を見ると彼なりの「生死観」が表れている曲だなと思います。彼はこの曲についてこのようにコメントしてるので「帰ろう」っていうタイトルにしてるんですね…考え方がしっかりしてらっしゃる…

 特に自分が好きなポイントは1サビの解放感もそうですが、最後のダメ押しのサビですね(「憎み合いの果てに」から)。ドラムの手数が多くなってコードも変わって最後はイントロに戻って終わる…。聴き終わった後に映画を見た、小説を読み終わった様な感覚になりました。いい曲。

 

7.記憶/イヤホンズ

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動画配信日:6月27日,CD:7月22日

 

作詞,作曲,編曲:三浦康嗣(口ロロ

 

  率直にこの曲を初めて聴いた時「声優の曲って幅広いんだな…」と思ってしまいました。環境音や生活音をコラージュみたく貼りつけ、音楽を奏でるーいわば一般的に流通している曲ではない構成の、芸術性のある楽曲を声優に歌わせるのが自分にとって新鮮味があり、とても印象に残った楽曲です。

 

 自分は口ロロといえば「00:00:00」という「時報」をサンプリングした名曲を作った

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方というイメージが強かったのですが(この曲は是非聴いて欲しいです。)、よくよく調べてみるとこういった前衛的なアルバム(「00:00:00」を収録したアルバムも結構凄いが)を出していたり、ヒプノシスマイクにラジオ番組風な曲を提供してたりとかなりバラエティ豊かな異色な曲を多く作っている方なんですね…知らなかった…

 この曲の凄い所はエレピ,ベース,キック以外全て声か音の組み合わせになっている所で、しかも飽きないんですよね。曲展開が従来のJ-POPとかではないですが構成が見事で最後は盛り上がる(けど記憶の様に音が消えていく。)。最初にも書きましたが正に「芸術性のある楽曲」だなと思いました。

 

8.環境と心理/METAIVE

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 配信日:7月24日

 

作詞,作曲:小山田圭吾

 

 すみませんが、これから個人的な話をします。自分はこの曲が配信された頃、嫌な事が立て続けに起こり、心身共に少し疲れていました。何かこれを解消出来るものはないかと日々模索していたのですが、たまたまYoutubeホームでこの曲の動画が上がっていて見たのですが…この曲の感じ、雰囲気が素晴らしく心にスッと入ってくるような感覚になりました。その感覚が心地よく、何回も聴きました(自分のspotifyでの再生回数が一番多い曲だった。)。そして何回も聴いてる内に立て続けに起こっていた嫌なことも和らいでいき、「環境と心理」が自分にとって今年お世話になった曲となりました。

 

 この曲はホーンとギターが印象的で、音色,フレーズ共に、歌詞「夕暮れ時 赤く染まる」を見事に表現していると思います。夕暮れが染まるあの何ともいえない哀愁さが漂う感じー堪らないですね。

 後、なんで心にスッと入ってきたかというと淡々と始まって淡々と終わるんですね。厳密にいうと盛り上がる箇所とかはあるのですが、激しい展開、起伏もなく音色も含め全体的に尖ってない優しい雰囲気なんですよね。だからスッと入ってきたかなと思っています。

 余談ですが、この曲を聴くと個人的に空気公団の「旅をしませんか」を思い出しました。全体的に優しく、淡々と続く感じということで。

 

9.いただきバベル (Prod. ケンモチヒデフミ)/電音部-港白金女学院-黒鉄たま(CV:秋奈)

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配信日:9月30日,CD:12月23日

 

作詞,作曲,編曲:Kenmochi Hidefumi

 

 今年バンダイから「電音部 DEN-ON-BU」という新たなプロジェクトが始まりましたね。発表された時は驚きました。何しろ参加しているコンポーザーがkz(livetune),tofubeats,TAKU INOUE,PSYQUI,パソコン音楽クラブ等名だたる作編曲家ないしDJ陣が沢山参加されていてちょっとヒェッ…なんだこの凄いコンテンツは…ってなりましたね。(バンダイだから成せる業なのか?)

 今まで電音部で発表された曲の内、自分はこの曲が印象に残っています。

 まずはメロのリズムなんですが、「自画自賛」や「金稼ぐ」の様な2音切りのメロは結構Hip-Hop楽曲に表れるメロですね(例としてm-flo♡Sik-K & eill & 向井太一 の「tell me tell me」やCreepy Nutsの「生業」,ちゃんみなの「Princess」など)。またビートもHip-Hopなノリなので全体的にHip-Hop色がありますが、音色とサビの四つ打ち感が完全にクラブミュージックでHip-Hopとクラブミュージックが融合した新鮮味感じる曲になってます。

 次に声の使い方が好きですね。2番の「噛ませ猫」の「こ」の部分のあざと可愛さや「砂でもかけとけ」の「け」のやんちゃさ、サビの巻き舌などバリエーション豊かに声を使ってる感じがいいですね。

 後、曲の終わりが好きですね。ぶつ切り程ではないですけど、余韻を残さずに唐突に終わるあの感じ個人的に好きです。

 電音部で発表された曲で「いただきバベル (Prod. ケンモチヒデフミ)」以外にも好きな曲が多くあります(Prod.TAKU INOUEの「Mani Mani」やProd.パソコン音楽クラブの「Haiiro no kokoro」など好きですね)。今後どういう曲が現れるのか自分にとって今後楽しみなコンテンツとなりました。

 …にしてもこれで初ラップって凄いよな…

 

10.Joker(M@STER VERSION)/松永涼(CV:千菅春香),大和亜季(CV:村中知),中野有香(CV:下地紫野),姫川友紀(CV:杜野まこ),前川みく(CV:高森奈津美

www.youtube.com

CD,配信ともに10月21日

 

作詞:渡部紫緒  作曲・編曲:田中秀和MONACA

 

 今年田中秀和さん滅茶苦茶曲書かれましたね。その中でも好きな曲がこれでした。スリルを感じさせるちょっと大人びた楽曲になってます。

 サビはⅣM7→Ⅲ7→Ⅵm7進行なのでよくある進行なのですがⅥm7の前にBrackadder Chord(「ねぇ、ちょっと息止めて」の後のシンセ部分)が入っているのが田中秀和さんらしいですね。また後半のサビ(「強気な癖して」部分)でⅣM7から始まるのではなく、Ⅴ♭m7-5→ⅣM7(ⅣmM7の可能性アリ)となるコード進行、自分は大好物です。それだけで無条件に好きになってしまうかもしれない…(例を挙げればアニソンですがChouChouの「Authentic symphony」,佐々木恵梨の「Ring of Fortune」とかですね。好き。)

 また、アイドルの人選が素晴らしい。松永涼(CV:千菅春香),大和亜季(CV:村中知)のクールな声質が楽曲に合っている+中野有香(CV:下地紫野),姫川友紀(CV:杜野まこ),前川みく(CV:高森奈津美)の普段クールではないアイドルがかっこ良く歌っているギャップが堪らない…

 後、ドラムが激しめな所が好きです。サビ部分のキック連打って激しいですよね。クラッシュシンバルも鋭い音。でも、ピタッと音が止まって曲のメリハリが出て良い。こういうクールな曲に滅茶苦茶手数が多いドラムってあまり合わない印象だったんですが、合いますね。

 2番Aメロを聴くと様々なオカズが入っていたりドラムのフレーズ,キメも違うのでフルで聴くと違う楽しさがありますのでCD買いましょう!(謎の催促)。

 

以上10曲になります。
入りきらなかったやつはこちら↓

 

   ➡今年一Lyricがヤバい。

   ➡3組とのアーティストコラボなのにLISAさんのボス感。

   ➡スネアの音がデカい、100点。

   ➡サビの3/4拍子×2→4/4拍子の妙。

   ➡ボカロ的戦略的音楽。雑さがイイ。

   ➡良いPOPS、良いメロディ。

           ➡ギターの音が気持ちいい。

   ➡KMNZとORESAMAが合わない訳がないんだよなぁ。

   ➡藤井隆×YOU×パソコン音楽クラブ=…?

   ➡リードギター>>>>その他。ある意味問題作。

 

おわりに

 今年の10選の楽曲を見てみると結構サビに王道進行とかⅣM7→Ⅲm7(Ⅲ7)→Ⅵm7進行が多いな~と思ったのでちょっとコード進行の点から見たらマンネリ化しているかもしれません。ただ、自分が好きな曲ばっかりを選んだのでその部分が拙い文章でも伝わっていたら幸いです。

 また、今年発表された印象に残っているカバーやRemix曲が多かったので番外編として別記事に上げています。興味のある方は是非。

 

kushikushi.hatenablog.com

 

 最後まで拝読ありがとうございました!皆さんの記事も素晴らしいので是非アドベントカレンダーへGO!!

(再び貼る)↓

adventar.org

2020年発売,配信の印象に残ったカバー,Remix曲7選

2020年発売,配信の印象に残ったカバー,Remix曲7選

 

 はじめましての方ははじめまして、

 KUSHIと申します。

 

 ※この記事はこちらの記事の番外編です。また、本編ではなまおじさん主催の楽曲オタク Advent Calendar に参加させてもらっているのでこちらもよろしくお願いいたします。

 

adventar.org

 

 本編に飽き足らず今年は、カバー,Remix曲も良い曲が多かったのでメモの様にサクっと記しておきます。

 

 

1.北の宿から/UA(原曲:都はるみ

www.youtube.com

CD,配信ともに2月22日

 

 作詞:阿久悠

 作曲:小林亜星

 本編曲:鈴木正人LITTLE CREATURES

 

 このカバーを知ったきっかけはUAさんが11月にyoutubeチャンネルを開設していたので、曲を聴いて久しぶりにUA楽曲を漁ろうかな~とspotifyで調べていると偶然知ったカバー曲です。

 イントロのエレピからもう好き。そしてドラムの入り,UAの声質。完璧。隙が無い。この曲を聴いてR&Bと演歌の親和性って凄いな~と思ってしまいました。演歌特有のメロディーがテンションコード+R&Bのリズムと美味しく重なって豪華料理を食べている気分になります。特にリズムなんですがキックが16分に入ってたり、サビのLギターが後ろノリの感じとか大好きです。美味し過ぎます…

 

2.エイリアンズ/KMNZ LITA(原曲:キリンジ

www.youtube.com

動画配信7月31日

 

 作詞,作曲:堀込泰行

 本編曲:zukio

 

 言わずもがなの名曲は沢山の人にカバーされますが今年はVtuberがこの曲を歌った印象があります。アコギ,コーラスのみの森中花咲さんver.や現代的な音,アレンジをした花譜さんver.も素晴らしいのですが、KMNZ LITAさんのカバーをよく聴いていたのでこちらを挙げさせて頂きました。

 オケは原曲そのままな感じでLITAさんの声質が合いますね。EGO-WRAPPIN'の「色彩のブルース」のカバー等とかもそうなんですけど声質がバラードに合うんですよね。その良さがこの曲にも表れていると思います。しみじみ。

 他曲ではrapでバキバキにかっこよく決めてくるんですよねLITAさん…かっこよ…

 

3.秘密/ORESAMA(原曲:ORESAMA

www.youtube.com

動画配信8月20日

 

 ※クレジットが分からなかったので省略

 

 ORESAMAは今年、今までの発表曲を「Dressup cover」と題し、セルフカバーをyoutubeに上げているのですが(12月20日現在11曲動画で上がっている)、その中でも好きなのが「秘密」です。

 原曲はピアノが綺麗で、最後にstringsが入って盛り上がるバラードになっている(こちらも良い楽曲。聴いてみて欲しい。)曲になっているのですが、本ver.はイラスト絵からしても「青」を連想させる曲になっていると思います。メロウなギター,リバースなSE,リバーブ感等冷たく奥深い、まるで深海なイメージを連想しました。バラードをLo-fiなサウンドにするのは勇気がいると思いますが、見事にこの曲が持っている良さを別の表現で表した楽曲だと思います。

 

4.Vampiregirl/UNISON SQUARE GARDEN(原曲:9mm Parabellum Bullet

www.youtube.com

配信8月26日,CD9月9日

 

 作詞:菅原卓郎

 作曲:滝善充

 

 9mmのトリビュートアルバムで他にもピアノが映えているRyu Matsuyamaの「The World」やDubアレンジなキツネツキfeat.タブゾンビ(SOIL&“PIMP”SESSIONS)&栗原健の「黒い森の旅人」も滅茶苦茶良かったのですが、Disc1の1曲目、即ち一番初めに位置するこの曲を挙げました。

 このカバーを初めて聴いた時、思わず笑ってしまいました。原曲と聴き比べると分かるんですが、無茶苦茶なことやっています。拍子(4/4拍子→4/4+3/4拍子)を変えていますし、BPMが速くなっていますし、歌詞ちょっと変わってますし。何故本家より複雑にしてしまうのか…UNISON恐るべし。

 

5.MONSTER DANCE/双海亜美(原曲:KEYTALK

www.youtube.com

動画配信10月9日,CD11月11日

 

 作詞,作曲:首藤義勝

 本編曲→Guiter:太田翼

     Other Instrument&Programing:坪田修平[TRYTONELABO]

 

  この動画をクリックするまでまさか本当にKEYTALKのMONSTERDANCEとは思わなかったです。ただ、滅茶苦茶合うなと思いましたが、聴いてみたら合い過ぎてびっくりしました。カツ+カレー=カツカレーです。選曲した青汁100%Pさん流石です…

 双海亜美の無邪気な舌足らずな声がこの曲に合い過ぎる…「今すぐに」の所ほんのちょっとだけクールな感じがするギャップもいい…

 今思えばKEYTALKの楽曲ってアイドルカバーしても全然違和感ないですよね(多分)。作詞,作曲した首藤義勝さんはアイドルに楽曲提供していますし。約束された親和性ってヤツか…

 ちなみに原曲はこちらです。

 

6.悲しみSWING/フットボールアワー後藤輝基(原曲:本田美奈子.

www.youtube.com

CD,配信ともに10月28日

 

 作詞 :小林和子

 作曲 :西木栄二

 編曲 :澤部渡(スカート)

 

 ご存知の方もいると思いますがフットボールアワーの後藤さんはGO☆TO名義で曲を出していたり、テレ東「ゴッドタン」の「芸人マジ歌選手権」で好きなアーティストであるBLANKEY JET CITYに影響を受けたオリジナルソングを歌っていたり、音楽活動を行っている芸人でもあります。

 この曲を収録しているアルバムを全面的にプロデュースしているのが藤井隆さんなんですが、それぞれ人にあった選曲が素晴らしい。今までの楽曲とは一味違う後藤さんの別の魅力を引き出していますね。「SWING SWING」の歌い回しは彼ならではな感じがしますね。

 原曲はスネアにリバーブが掛かっているのに対し、本ver.では乾いたスネアになっていますね。打ち込みベースとスラップベースの2つのベースがある本ver.は全体的に聴いてもどこかタイトでリズム的な編曲になっていると思いました。

 

7.LOVE IS EVERYTHING/LUPIN THE THIRD JAM Remixed by WONK(原曲:木村昇

www.youtube.com

配信12月9日

 

 
 作詞:奈良橋陽子

 作曲:大野雄二 

 

 あ~落ち着く~

 

 何も言うことない(文章の放棄)。良い。

 Lo-fiサウンドでキックが強めでスネアの音も良い。メロウでゆったりとした時間が流れる=チルいですね。

 このルパン三世シリーズの他の方アレンジも素晴らしいです(他RemixerはAmPm,Kan Sano,banvox,Moe shop,YUC'e)。興味ある人は是非聴いてみて下さい。

 

おわりに

 本当にザッと書きました。オリジナルソングも勿論良いですけどカバーにはカバーの良さがある!という訳で書き記しました。

 最後まで拝読ありがとうございました!皆さんの記事も素晴らしいので是非アドベントカレンダーへ!

(再び貼る)↓

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2019年発売,配信の印象に残った曲10選

2019年発売,配信の印象に残った曲10選

※この記事は「楽曲オタク Advent Calendar 2019」8日目の記事です。

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はじめましての方ははじめまして、

KUSHIと申します。

 

 自分は趣味として音楽を作ってるただの一般人ですが他の方の記事を見てみると知識(特に理論やコード進行)や文章力が豊富で震えあがっています。(冬の寒さもありますが…)

 決めた条件としては

  • ジャンル不問。
  • 同じアーティスト楽曲は無し、最大1曲まで。

としています。

 曲順は配信日の早い順からとします。 

 後、思ったのが皆さんの記事がアニメ,ゲームカルチャーに関する曲が多いので場違いではあるかもしれませんが、この記事は邦楽バンド系統が多いですので悪しからず…。(ジャンル不問と書いてるので大丈夫だと思う!)

 

 

1.クレイジークレイジー(M@STER VERSION)/一ノ瀬志希 (藍原ことみ) 、 宮本フレデリカ (髙野麻美)

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配信日:2018年8月28日,CD発売日2019年06月19日

 

 はい、いきなりバンド曲ではありません。裏切りました。配信だと去年になり、タイトルに反しているのですがCD発売は今年なので許してください。

 最初に聴いた瞬間に「あ、これ自分好きなやつだ」と確信を持った曲です。作詞はMC TC,作曲・編曲は Taku Inoueさんです(まぁ同一人物ですが)。Taku Inoueさんは同デレステ曲でもHotel MoonsideやRadio Happy,ミラーボールラブなどEDM等のエレクトロを主体としている「良曲しか量産しない」人なのです。

 イントロからお洒落だなーと思いつつ裏で鳴っている二胡の様な音がより幻想的な世界へ入り込むようでとても心地よい。サビの「なんでかな なんでかな おかしいな おかしいな」がどれも同じメロディーでキャッチーなのも良い。全体的にはクラブのイメージがするのですが、こういった曲をアイドルに歌わせてかっこよく見せるのは流石としかいいようがありません。

 余談ですがアイドルマスターの曲って物凄く攻めていると思います。90年代の渋谷系,シティポップの流れを汲んだ「Dreaming of you」,マスロックやプログレ風味な「CRIMSON LOVERS」,元ナムコ、現KIRINJIの堀込高樹さんが作詞作曲編曲をした(言い方が悪いが)サビが気持ち悪いアイドル歌謡な「LEMONADO」などなどアイドルマスターの楽曲は間口が広いです。上記したクレイジークレイジーのような曲然り色々なジャンルを取り入れたコンテンツは珍しいからこそ長く愛されているのかもしれませんね。

 

2.火炎/女王蜂

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配信日:1月22日,CD発売日1月30日

 
 アニメ「どろろ」第1期オープニングテーマ。
 これはアニソンとしては新しいというかやられたって感じる曲ですね。アニソンでのお約束である「サビをアーティスト・声優が歌って盛り上げる」ではなく「サビをアーティストに歌わせないでギターに歌わせる」という手法を取っています。これはアニソンOPの中でも珍しい例だと思います。1分29秒の中で描く世界でいかにサビを目立たせるための手法としては盲点だったのではないかなと思います。サビのギターリフをヨナ抜きにして、和風なキャッチーさを出しているのも盛り上がる要素の一因ですね。曲の流れとしてはクレイジークレイジーの様なEDMの流れなんですが2番のど頭からラップが始まったり最後のサビで畳み掛けるように音を増やしたり飽きさせない工夫が見られます。さらに女王蜂vo.薔薇園アヴしか歌えない音域でこの「火炎」の世界観が成り立っているのです。
 ちなみにこの曲は「どろろ」に完全に書き下ろししたものではなく前から構想があったそう。それにしても映像に合い過ぎじゃない?

 

3.Highway Cabriolet/赤い公園

www.youtube.com

動画配信日:2月15日,CD発売日10月23日
 
 イントロのギターでやられる。リバーブ増しなDM7をジャーンと掻き鳴らす、それだけでもう風景は夜の高速道路を運転するカブリオレを想像してしまう。それはドリームポップやシューゲイザーを感じる所から来ているのかもしれない。
 
 この曲の特徴はベースであると思います。1番のAメロから2番のAメロ前まで一音符ずつ短く音を切って少しの疾走感を与えていて、2番のAメロからサビ前まで16分音符炸裂の複雑なフレーズでグルーブに深みを出しつつサビでまた短く音を切って間奏に進みます。間奏ではベースがメロディアスになって三度サビで短く音を切って最後のアウトロでここぞとばかりに8ビートのルート弾きでトレモロ轟音ギターと共にクライマックスを盛り上げて終ります。そう、ベースがこの曲の展開を担っているのです。もしこのフレーズの順番が逆になっていたり違っていたりしたらこの曲の良さは半減以上のものになってると思います。
 他にも2番サビ前の「ラブ・ストーリーは突然に」のイントロの様なフレーズや最後のサビ前のフレーズに見られる飛び道具みたいなギターフレーズも印象的な楽曲といえます。
 

4.白日/King Gnu

www.youtube.com

配信日:2月22日

 

 今年売れた曲その1。散々他の記事・サイトで書かれているけれども印象に残っているから書きます。

 イントロはピアノと歌のみから始まります。この時のコード進行はⅠ→Ⅶm7-5→Ⅲ7→Ⅵmと結構アニソンで使われる(涼宮ハルヒの憂鬱OP「ハレ晴レユカイ」など)進行なのでもうこの時点でエモいのですが、その次に入るドラムのビートがヒップホップ特有の様なビートで、このエモなコード進行とビートによって違和感ができ、従来のJ-POPでは出来ないエモさが生まれてヒットしたのでは?と思いました。このビートはシャッフルビートなのですが、例えば昨年大ヒットした米津玄師の「Lemon」の様なきちっとしたシャッフルではなく、もっと跳ねているビートだと思うんですね。まぁこれは「Lemon」のビートが打ち込みっていうのもありますが、Dr.勢喜遊のグルーブ感が独特なものだからだと思いますね。この独特なグルーブもKing GnuKing Gnuたらしめるオリジナリティの一つといえるでしょう。

 かといって従来のJ-POPに全く則っていないかといえば曲の最後で半音上がる転調などが使われているのでそうではありません。従来のJ-POPにないサウンド,ビート+従来のJ-POPに則って展開(Aメロ→Bメロ→サビなど)の絶妙な塩梅で大衆に受けられたのかなぁと推測してみました。

 

5.花は幻/YuNi

www.youtube.com 配信日:3月11日

 

 バーチャルシンガーYuNiの3rd Single。

 作詞作曲はla la larks、編曲は江口亮さん。la la larksは、メンバーがVo.内村友美(ex.School Food Punishment),Key.&Gt.& Cho.江口亮Stereo Fabrication of Youth,MIM),Gt.三井律郎(THE YOUTH,LOST IN TIME),Ba.クボタケイスケ(ex.SADS),Dr.ターキー(ex.GO!GO!7188)と様々な分野で活躍している、または活躍していたメンバーが集結したバンドです。過去には栗山千明(「0」),坂本真綾(「色彩」,「空白」),JUNNA(「紅く、絶望の花。」)などに提供を行ったこともあります。

 坂本真綾さんやJUNNAさんに提供したアニメ,ゲーム関連曲には不穏なコード,コード進行が多く使われているのが聴くとわかると思います。今回の楽曲でもそれがサビに表れています。

オリジナルソング第三弾「花は幻」は、花が散っていく情景描写の中に、人生の儚さ、虚しさ、寂しさ、美しさ、といった一種の死生観を込めたいという想いから、YuNiが尊敬しているグループ“la la larks”に作詞作曲を依頼しました。

引用元:PR TIMES バーチャルシンガー”YuNi"、3rd Single 「花は幻」を3月11日にリリース決定

 

 こうした複雑なコード進行のサビにしたのは上記のような「儚さ,虚しさ,寂しさ,美しさという死生観」をもたらす為に行ったと聴いて感じますね。(耳コピできないですが…)

 また、編曲した江口さんは「何かしらサビを毎回変えている」ことが多い編曲家でもありますね。例えば彼が編曲したSchool Food Punishmentの「futuristic imagination」(東のエデン ED)では

  • 1番のサビ:ストリングス,ピアノ,ドラム,ベース,SE etc...
  • 2番のサビ:1番のサビからピアノをOUTして両側にギターをIN
  • ラスサビ:2番のサビからピアノINしてベースのフレーズを高フレット域で弾く+ドラムのハイハットをオープンにしてクライマックス感を演出

 

の様な工夫があります。今回の楽曲では

  • 1番のサビ:ピアノ,シンセ,ベース,ドラム,(ギター?) etc...
  • 2番のサビ:1番のサビのピアノフレーズを二拍から一拍に変化+4小節追加
  • 3番のサビ+ラスサビ:1番のサビに戻りそこから転調+ドラムフレーズをシンプルにしてクライマックス感を演出

みたいな感じですかね。このように楽曲がストーリー展開を見せる曲が個人的に好きで、今回の記事の楽曲にも多く見られると思いますので悪しからず。

 

6.Pretender/Offcial髭男dism

www.youtube.com

配信日:4月17日,CD発売日5月15日

 

 今年売れた曲その2。散々他の記事・サイトで書かれているけれども印象に残っているからこれも書きます。

 TVや動画CM等で散々聞くことになった髭男の楽曲たち。サブスクでも数曲が現在でも上位を占めている恐ろしいバンドであります。こわい。

 

 さぁこの曲が何故こんなにもヒットしたかこちらを聴いてみてください。

www.youtube.com

 結論:元の曲がいいから

 ~完~

 ってしたら面白くもないので足りない頭で考えてみようと思います。

 自分はこの曲の良さは「音のこだわり」によるものだと思います。

 

realsound.jp

 

 こちら記事を読むと「(前略)アルペジオは変則チューニングで弾いています。普通のチューニングでも弾けるんですけど、より倍音が出る開放弦を使えるように変則で弾きました。」ということが書かれています。確かにイントロのギターの音の広がり方は心掴まれます。また、ギターを複数使っていたり、ハイハットをの音を薄めのクラッシュを2枚重ねて叩いていたりと随所に音のこだわりが垣間見えます。こうした「音のこだわり」が今までにないサウンドを生み出してヒットに繋がったのではないかと自分の足りない頭で考えてみました。

 他にも歌詞やコード進行,メロディに対する言葉の乗せ方などもあると思うのですが長くなりそうなので省略します。後、そんな知識がない…。

 余談ですが編曲のクレジットを見てみると「Offcial髭男dism」のみになっています…

 怖くないですか…?

 

7.Orange Mug/WONK

www.youtube.com

配信日:5月19日

 

 この曲は確か石濱翔さんのツイートを見てたまたま聴いて印象に残った曲です。

 まず、キックの音がいいですね。素晴らしい。こういう落ち着いた曲には少しこもったキックの音が似合いますね。

 歌詞も素晴らしい。主なあらすじとしては主人公がオレンジのマグカップを軸に昔のことを思い出しながら両親に手紙を書いてるというものですが泣いちゃいますね。結婚式で流れされたら泣きそう(ただ、この曲は英語詞)。声も優しいのでそれも相まって余計に泣きそうですね。

 余談ですがバンドメンバー4人のプロフィールを見てみると各内容が凄すぎてスーパー集団だなぁ…と思ってしまいました。toeじゃん…。

 

8.そなちね/Tempalay

www.youtube.com

配信,CD発売日6月5日

 

 名曲。

 これは名曲。

 Tempalayは「SONIC WAVE 」や「どうしよう」などサイケの要素を持つ曲が多いです。この曲もそう。

 この曲のポイントとしては「メロディ」の良さですね。特に大サビが素敵(その白さ~のとこですね)。この大サビから女性コーラス(Cho.&Syn.AAAMYYY)が入ってきてよりメロディーを際立たせて厚みを出してるのが良いですね。メロディーラインの綺麗さも素晴らしい。

 全体的な空気感もリバーブ感も好きですね。最初この曲を聴いた時夏だなーSummerだなー久石譲っぽいなーと思っていたら、

mikiki.tokyo.jp

この記事にも書いてある通り楽曲リファレンスの一つに「ソナチネ」のサントラがあることを知ってびっくりしました。それと同時に「ソナチネ」の楽曲が久石譲さんだと知って自分の無知さに落胆しました(北野映画見たことないんだよな…無知)。

 後、オススメしたいのがこの曲はMV込みで見て・聴いて欲しいなと思います。正直言って今年のMVのMVPはこれといってもいいぐらい芸術的でストーリーも最高な作品となっています。是非見て下さい最後まで。

 

9.町かどタンジェント/shami momo(小原好美鬼頭明里

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配信日:7月19日,CD発売日8月7日

 

 アニメ見ました。面白かったです(小並)。

 さてポチっと再生ボタンを押すとあることがすぐわかると思います。

 そう、

 渋谷系です。

 イントロの「パヤパーパッパッパッパヤッパ」,ブラス,ストリングスの動き,囁くように歌うウィスパーボイスなどなど渋谷系特有の特徴が表れている曲だと思います。Aメロの転調,Bメロの部分転調やBメロ前の気の抜けた「スリー、ツー、ワン」,アコギの音などとても耳障りがよく、電動マッサージ機で「あばばばばばばばばばば」と言ってしまうくらい心地よかったですね(頑張れこの記事の読者!詳しくは「まちカドまぞく」4話を見るんだ!)。

 個人的に最近のアニソンを聴いていないのですが久しぶりに”ド”がつく直球の渋谷系なアニソンを聴いてなかったので初めて聴いた瞬間に心打たれましたね。後、ドラムのタンタンタンタンのリズムや雰囲気からROUND TABLE featuring Nino「パズル」NHKへようこそ!OP)を思い出しました。これも良い曲。

 作詞作曲編曲は辻林美穂さん。悠木碧さんのアルバムで作曲編曲していたり、TWEEDEESの編曲を担当したり、太鼓の達人Nintendo Switchば~じょん!で作詞作曲歌唱していたりと凄い方だぞ!

 

10.Phantom Joke/UNISON SQUARE GARDEN

www.youtube.com

配信,CD発売日10月11日

 

 「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア」オープニングテーマ。

 いや~田淵さんってすごくドSな方だなと思いますね。

 YouTubeでのコメントにもありますがドラムが鬼畜過ぎますね。最後のサビ前が歌とギターのみになるのですがそれ以外ドラムの手数,手数,手数といったら恐ろしくてたまらない。Dr.鈴木貴雄の技術,体力は恐ろしいものですね。

 ユニゾンの曲ってジェットコースターみたいに展開が目眩めく変わっていってスピードに緩急があるというイメージがあるのですがまさに今回の曲はそうですね。Bメロは3拍子になっているのですがこれはアニソンでもたまにみられる展開ですね(この素晴らしい世界に祝福を!OP「fantastic dreamer」,干物妹!うまるちゃんOP「かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ!」など)。しかしこれをフルで聴くと2番でいきなりBメロの3拍子が来てAメロ再びBメロになってサビに進むという一筋縄ではいかない構成になっていて面白いです。イントロ,Aメロ,Bメロと変なコード進行を多く使っていると思いますが、結局サビは王道進行(Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm)を使ってるのでサビに安心感がありますね。

 ユニゾンは今年で15周年になります。アニバーサリーイヤーでLIVEも沢山ありましたし,B面集アルバムやトリビュートアルバムを出した中でこの複雑でどのバンドにもできないような新曲を生み出すというのが凄いですね。

 

以上10曲になります。

入りきらなかったやつはこちら↓

 拙い文章でしたが最後まで拝読して頂きありがとうございます!皆様の記事も面白く、ためになる記事ばかりなのでよろしくお願いします!

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